市川裕康「デジタル・キュレーション」

「シビックテックとは、少数ではなく多くの人々の生活を改善するテクノロジー」 パーソナル・デモクラシー・フォーラム参加レポート #PDF15

2015年06月16日(火) 市川 裕康
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パーソナル・デモクラシー・フォーラムの冒頭で参加者にシビックテックの意義・定義を問いかける主催者

40人のキーノートスピーカー、100人のパネリストによる集中講義

毎年6月にニューヨークで開催される政治・行政・市民参画とテクノロジーに関する国際会議「パーソナル・デモクラシー・フォーラム(Personal Democracy Forum : 以下PDF)」に今年も参加する機会を得ました。以前に何度かレポートしたとおり(2013年2014年)、PDFには約800人の起業家、社会起業家、アクティビスト、企業の政策担当者、ハッカー、ジャーナリスト、学者、政治家、連邦政府・地方自治体政府・財団・NPO職員などが一堂に会し、「テクノロジーがいかに行政、政治、市民活動にインパクトを与えるか」というテーマについて、2日間、議論・ネットワーキングが行われるカンファレンスです。

今年のテーマは「Imagine All the People: The Future of Civic Tech(すべての人々を想像しよう〜シビックテックの未来)」が掲げられ、冒頭では主催者が一枚の写真を紹介し、シビックテックについて改めてその意義を問いかけるところからカンファレンスがスタートしました。

紹介された写真は今から約120年前、アメリカ人のジャーナリスト/写真家だったジェイコブ・リース氏が当時流行し始めていたフラッシュ・カメラを利用し、スラム街の様子を撮影したものです。当時のニューヨークのスラム街の劣悪な環境と、そこに住まざるを得ない移民の姿に光をあて、後の問題解決を促したテクノロジーの例として紹介されました。

「シビックテックとは、少数ではなく、多くの人々の生活を改善するために使われるあらゆるテクノロジーである」と聴衆に訴えかけたのです。

現在、こうしたカンファレンスに参加するのは、テクノロジーの可能性を信じ、政治・市民活動に強く関心を持っているごく一部の人です。政治・地域コミュニティの課題について無関心な層も含め、「社会を少しでも前進させるためには、より多くの人に実際のインパクトを与えることこそが、シビックテックの真髄といえる」という旨のメッセージを冒頭で呼びかけました。

たった2日間のカンファレンスですが、その間、メインステージでは40人がプレゼンテーションを行い、そしてさまざまな分野の専門家が約100人参加するパネルディスカッション・ワークショップなども実施されます。扱う分野・テーマは多岐に渡るため、毎年ついていくのが精一杯と感じる部分もあるほどです。とはいえ、とても強く印象に残るプレゼンテーション、会話などが毎年いくつかあります。今回はそのうちの1つをご紹介したいと思います。

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