経済の死角

財務省が慌て始めた 超円安!
「1ドル=200円」に行き着くという見方もある

2015年06月16日(火) 週刊現代
週刊現代
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「円」の没落を嘆く声

ほんの数年前には1ドル=70~80円台だったのに、いつのまにか100円台を突破。円安の勢いは増すばかりで、6月2日にはついに、約12年半ぶり安値である125円の大台にのった。

「130円超えも近い」

「いや、140円台まで行くだろう」

こんな声も聞こえてくるマーケットを横目に見ながら、止まらない円安に危機感を募らせている巨大組織がある。

財務省、である。

東京・霞が関にたつ財務省本庁舎。その4階にある第3特別会議室で、今春から「円問題」についての議論がひっそりと開始された。

舞台となっているのは、関税・外国為替等審議会の外国為替等分科会。財務省国際局が事務方を務め、日銀マン、金融に精通した学識者から、商社、銀行、メーカーなどの幹部までが委員に名をつらねる「為替インナーサークル」である。

ここで今年の議論のテーマとして俎上に上がったのが、「円問題」。世界経済が米ドルへの依存をますます強め、さらに中国の通貨・人民元が台頭してくる中で、円の地位が地滑り的に低下している現状へどう対処すべきが話し合われている。

「日本は'80年代から円を国際的な通貨へと変えていこうとし、失敗した」

「東京外国為替市場がシンガポールに抜かれてしまった」

「円の世界というのは国際マーケットから隔離されているともいえる」

今年は3月から始まり、4月、5月、6月と4度開催された会議の議事録には、円の「没落」を嘆くこうした声がこれでもかと書き残されている。

会議に提出された資料を見ても、日本が貿易を行う際に輸出でも4割弱、輸入だと2割ほどしか円建てで行われていないといった「円外し」の生々しい実態が示されている。

会議では、財務官僚たちも、

「経済実態自体が円の積極利用を推奨していない」(浅川雅嗣・国際局長)

「通貨の問題という主権国家の根本にかかわること」(神田眞人・国際局総務課長)

などと発言。円がグローバル経済の中で存在感を失いつつあることに慌てている様が浮かび上がる。財務省関係者が言う。

「一般的には円安の理由として、『ドル買いの裏返しに過ぎない』などと語られています。しかし、為替のプロの見方は違う。止まらない円安の裏に、『日本の国力の低下』を見ているわけです」

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