米国メディア業界のビッグピクチャー
2015年05月27日(水) 大熊 将八

メディア・バブル影の勝者「RebelMouse」とは? ハフィントン・ポスト元CTOがつくるサービスの強み

upperline

すべてのブランドにハフポのような「バズ」の力を

ウェブメディアは増え続けている。伝統的な出版社・新聞社・テレビ局の参入や、ブログ的なメディアの増加は言うに及ばず、現在のトレンドは、企業が広告・マーケティングの手段として「オウンドメディア」と呼ばれる自社メディアを作り、記事や動画コンテンツ制作に勤しむというものだ。そんな、誰もがメディアをやるブームのなかで絶妙なポジショニングをしている1つの企業がある。

それが、「RebelMouse」だ。

ハフィントン・ポストでCTO(最高技術責任者)を務めたポール・ベリーが2012年9月にたった4人で立ち上げたこの企業は、今や100人以上の社員を抱え、合計で3,000万ドルの投資を受けている。

ハフィントン・ポストは日本にも進出しているが、Facebookなどのソーシャルメディアでシェアされやすいコンテンツを作り、大量のアクセスを稼いでいることで知られている。これを可能にした要因の1つが、自社で開発しているCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)だ。

CMSとは平たくいえば、ウェブメディアを運営する際の記事投稿・デザイン設定をするツールのことであり、長らく、オープンソースのブログソフトウェア「Wordpress」が有名だった。

ただしWordpressは現在のウェブメディアにとって非常に重要な「いかにソーシャルメディアでシェアされるか」「モバイルに対応したUI/UX(ユーザーインターフェース、ユーザーエクスペリエンス)にするか」に追いつけていない。そこで新興メディア勢力は自社で最先端のCMSを開発している。

たとえば、7つのメディアを持ち、合計で月間1億人以上のUU(ユニークユーザー)を集めるVox Mediaは「Chorus」という名のCMSを有している。直感的に記事中に動画を埋め込んだり文字のフォントを変えることができ、非常に扱いやすいそのインターフェースは、伝統的なメディアの記者を惹きつけて移籍させてしまうほどの力がある。

これを、すべての広告主向けに適した形で作っているのが、RebelMouseである。

ジャロッド・ディッカー氏 RebelMouseオフィスにて

筆者が取材を行った製品・オペレーション部門のトップであるジャロッド氏は「我々は、クライアントであるブランド(企業)の誰もが、簡単に、ハフィントン・ポストやBuzzFeedが持っているような『バズ』の力を得られるようにするんだ」と語る。

一口に言ってもこれは簡単なことではない。今日、真にモバイルとソーシャルに対応したウェブメディアを作り、読者との関係を築くには、効果的な位置にFacebookやTwitterなどで「シェアする」ボタンを配置し、ニュースレターやサイトのコミュニティに自然に参加させる仕組みを作り、ユーザーの嗜好に沿って記事をレコメンデーション(推奨)し、絶えず記事のタイトル・画像ごとにA/Bテストしなくてはいけない。これを直感的で簡単な流れで行えるようにしたRebelMouseは、すでにGEやT-mobile、インテルにロレアルなどのナショナルクライアントを多数獲得している。

1
nextpage



underline
アクセスランキング
1時間
24時間
編集部お薦め記事
最新記事