町田徹「ニュースの深層」
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孫正義ソフトバンク社長「ネット起業投資」「後継者指名」宣言で隠した苦境とは

2015年05月19日(火) 町田 徹
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グーグルからスカウトしたインド人後継者は話題となったが・・・       photo Getty Images

創業から33年、57歳に達して、髪の生え際が後退し白髪も混じるようになったが、今なお、ソフトバンクの孫正義社長の弁舌は健在だ。先週月曜日(5月11日)に開いた決算説明会では、海外のインターネット関連企業向けの投資に軸足を移して「世界のソフトバンク」に脱皮すると大きな夢を開陳した。

しかし、その言葉の裏側で、業績に変調の兆しがみえる。特殊要因があったとはいえ、2015年3月期は本業の儲けを示す営業利益が前の期に比べて8.8%減の減益決算に終わった。また、今期について、孫社長は「投資や事業の売却が繁雑に起こると想定され、業績予想を伝えるのは適さない」と見通しを示さなかったが、大幅な最終減益が避けられない模様なのだ。

手広く営むビジネスの中でかく乱要因になっているのは、米モバイル業界3位のスプリントだ。同4位のTモバイルUSを吸収合併して市場を寡占化し、戦い易い体制を整えようと目論んでいたが、米政府に待ったをかけられて失敗。今や重いお荷物になっている。かつての孫社長ならば、すかさずスプリントを売却してとっくに撤退したはずだ。

決算発表の席では、余裕たっぷりに後継者候補を指名して話題を振りまいたものの、行動力が衰えた印象もある。稀代の起業家・孫正義に、抗いがたい老いが忍び寄っているのだろうか。

孫社長の主張を鵜呑みにしてよいのか

「創業から30数年経ったが、今までは日本のソフトバンクが海外投資をしていた。これからは第2のソフトバンク。世界のソフトバンクが日本でも事業を展開している、そういう風にやりたい」――。

孫社長は、話題を集めた2015年3月期の決算発表の冒頭で、こう語った。

足元の業績をグループ全体(連結決算)でみると、売上高や償却前の営業利益(EBITDA)が拡大基調を維持していると強調。8.8%減となった営業利益にも触れて、その前の期にガンホーとウィルコムを子会社化したことに伴う一時的な増益要因があったために減益に映るが、そうした影響を除けば、実態として増益基調を維持していると主張した。

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