現代新書カフェ
2015年05月15日(金) 春山 由子

あの「車椅子社長」を支えた女性はこんな人だった。体が強いほうではなかったのに、結婚してからは風邪ひとつ引かなくなった理由。

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20代で進行性筋ジストロフィーを発症し、30代後半で首から下の機能を全廃しながらも、介護・医療業界において、オリジナル商品の開発、医療法人、自治体のコンサルティングなど、業界の風雲児として大活躍し、「大阪の車椅子社長」として知られた春山満さん。
彼が病のため2014年2月、60歳で亡くなってから1年が経った。
このたび、公私ともに満さんをサポートし続けてきた妻・由子さんが、満さんの出会いから亡くなるまでの四十数年間を初めて綴った本『仲が良かったのは、難病のおかげ』。
書籍刊行後、改めて満氏との日々を振り返って感じた人間の強さ、仲が良かった秘訣とは?

人間ってすごいと自分の体験で実感

── 本を書かれたきっかけはなんでしょうか?

春山 じつは、主人の生前も何度かお話はいただいていたんですが、そのときは「俺が死んでから書け」と言われていました。本人が恥ずかしかったのもあるし、存分に書けばいいという配慮もあったんじゃないでしょうか(笑)。
それで昨年2月に主人が亡くなって、しばらくしてから長男に「同じように苦労をしている人が世の中には大勢いる。そうした人に向けて是非書いたほうがいい」と強く勧められたんです。

── この本を読むと、「由子さん、強い人だなあ」と思う人も多いと思いますが、自分ではどうお感じになりますか?

春山 小さい頃から大人に「しっかりしているねえ」と言われることは多かったですね。でも私がとくに強いかと言われると、けっしてそんなことはないと思います。人間誰しもそうした強さは持っているじゃないですか。むしろ状況が人間を変えていくものだと思います。

── 本の中に、もともとは体が強いほうではなかったのが、結婚して子どもができてからはまったく風邪をひかなくなったという記述が出てきますが、これは本当にすごいですね。

春山 やはり「母は強し」だと思います。まあうちに限らずお母さんてみんなそうだと思いますけど。とくに次男が生まれてからは、主人と3歳児と赤ん坊、3人の世話をしていたら寝込む暇なんてないですから。私が寝込んだら我が家はまったく回らない。

── 熱が出るということもなかったんですか?

春山 本にも書きましたが、結婚後は子どもが生まれる前に、知り合いに借金の保証人を頼みに行ったときと長男の出産直後だけですね。子どもが生まれてからは一度もない。もしかすると微熱くらいは出たこともあったかもしれませんが、あっても気にせずに動いていたら、気がつくと下がっていたというかんじです。本当に若いときの自分からすると想像もできないですよね。

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