米国メディア業界のビッグピクチャー
2015年05月15日(金) 大熊 将八

スマホ動画には勝者が生まれない? ソフトバンク・キャピタルVP「動画ビジネスでは、プレミアムモデル構築が重要」

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〔PHOTO〕gettyimages

ソフトバンク・キャピタルでヴァイス・プレジデントを務めるフィル・シェブリン氏へのインタビュー。前半では、Webメディア業界にこれまで起きてきた3つの変革の波について語ってもらった。

だが、メディアの中でも、「動画」の世界には特有の事情がある。この領域においては、今秋日本にも上陸予定の動画ストリーミングサービス「ネットフリックス」がすでに四半期だけで15億ドル以上の売上を立てるなど、相当の規模に成長している。動画ビジネスの世界での勝ち方をフィル氏に聞くにつれ、筆者には業界の新たな将来像が見えてきた。

動画で重要なのは、プレミアムモデルを築けるかどうか

――これからは、動画の時代だとも言われている。雑誌・新聞メディアと違う、動画特有の事情はなにか?

「動画は(新聞・雑誌メディアとは)また別の戦いだ。アメリカでは、65%の人がケーブルテレビ、衛星テレビと契約していた。200から300ものテレビチャンネルがある。

動画ストリーミングサービスのネットフリックスはなぜこの業界を破壊して儲けることができたのか。彼らはコンテンツを持っている。そして、それをいつでもどこでも観れるようにしたことがいちばん大きい。ネットになったら、ケーブルという制限がつかず、イギリスやオーストラリアなどほかの英語圏でもすぐに観れるようになった。そこに月額8ドルだけユーザーに課金させることに成功した」

――動画ビジネスで儲けられるようにするには、プレミアムモデルを築けるかが重要ということか。

「そのとおりだ。Googleは結局、YouTubeのマネタイズがうまくいかなかった。最近になってようやく、プレミアムコンテンツを検討し始めている。

(質の低い)ネコの動画であふれているYouTubeと違って、ハリウッドはハイクオリティなコンテンツを持っている。彼らはとても賢い。ナップスターの登場で音楽に海賊行為が可能になっても、ライセンスを課して、保護なしでコンテンツが流れないようにした。

そうしておけば、長い期間にわたって、ほんの少しでも有料の読者が増えれば、それがボーナスの収入になる。ダメなコンテンツでさえ、何十年にもわたって追加で視聴されうる。私は『Gilligans Island』というドラマを高校生の時に観ていた。クソなドラマなんだが、そんなものでさえプレミアムコンテンツは何十年にもわたって、放送されるたびに金をもらう。だから、プレミアムコンテンツは強いのさ」

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