高橋洋一「ニュースの深層」
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「大阪市が解体されたとしても、住民に不利益があるのか?」 イギリス総選挙の結果から大阪の住民投票を考えてみた。

2015年05月11日(月) 高橋 洋一
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イギリス総選挙でキャメロン首相の保守党は勝利した      photo Getty Images

7日、イギリスで5年に1度の総選挙が行われた。イギリスは、庶民院(定数650)と貴族院(定数760)の二院制であるが、選挙があるのは庶民院だけである。貴族院は、終身・任命制である。法案について庶民院が貴族院に優越する。

与党・保守党は、事前の予測に反し、331議席と単独で庶民院の過半数を獲得した。労働党は議席を減らし、232議席。こうした中、スコットランドの独立を目指すスコットランド民族党は56議席と大きく躍進した。

「EUからの離脱」を国民投票にかけることに

選挙戦はいろいろな争点があったが、「二つの離脱」が今後のポイントである。

一つ目は、保守党が勝利したので、2017年末までに「イギリスのEUからの離脱」の賛否を問う国民投票が行われることになるだろう。

もう一つ、注目されるのがスコットランド民族党の躍進で、「スコットランドのイギリスからの離脱」がどうなるかである。

「イギリスのEUからの離脱」について、保守党政権は、イギリスがEUに加盟して貿易上のメリットを受けていることを知っているので、過度の流入する移民への対抗策等をEUと交渉した上で、離脱かどうかの是非を問うとしている。

つまり、EUにとどまるのが基本であるが、離脱するといって、移民などでイギリスに有利な策をEUから引き出し、その上で国民投票によってEUにとどまるお墨付きを得たいという戦略だ。

イギリスは、EUに加盟して、加盟国相互間の関税は撤廃されているのでEU全体を相手として貿易上のメリットを受けるが、ユーロには加盟せずに金融政策を独自に使ってマクロ経済運営を自国有利に行うという好条件である(似たような国として、デンマークやスウェーデンがある)。

こうした事情から、イギリスがEUから離脱する可能性はあまりないと思われるが、それでも、国の大きな方向性の話なので、国民投票にかけるというのは、さすが民主主義の国である。

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