市川裕康「デジタル・キュレーション」

増大するモバイルとフェイスブックの影響力、新聞の苦悩、求められるオープンな議論---ピュー・リサーチ・センター『ニュースメディアの今2015年版』発表

2015年05月05日(火) 市川 裕康
upperline
今年で12年目を迎える米国のニュースメディアの動向についての包括的な調査レポート『State of News Media』 / Per Research Center

毎年春にアメリカの調査会社ピュー・リサーチ・センターがまとめているニュースメディア業界の動向に関する包括的な調査レポート『State of News Media』の2015年版が、4月29日にリリースされました。

メディアビジネスを巡る状況、ビジネスの規模、文化・社会的背景が異なる米国での調査結果といえども、テクノロジー、モバイル、ソーシャルメディアの影響力がメディア運営企業、広告主、そして私たち一人ひとりのメディア消費の形に影響を与えるという点では類似点、未来予測的に示唆が得られる点も数多くあり、メディアビジネスに従事する業界の方にとっては必読の資料と思われます。その中でいくつか気になったポイントとグラフをご紹介したいと思います。

「モバイル>デスクトップ」ただし滞在時間においてはデスクトップも依然重要

すでに多くの場所で言われていることであり、個人的にスマートフォンを活用している人であれば感覚的に感じていることかもしれませんが、今回の調査結果として明らかになったのは、トップ50のデジタルニュースメディアのうち、39のサイトにおいて、モバイルのアクセスがデスクトップを上回っているという点です。

ただし、注意が必要なのは、滞在時間においては依然デスクトップのほうが長く、トップ50のニュースメディアのうち、その半分においてはデスクトップからのアクセスが多く、平均してモバイル経由の場合よりも10%長くサイトに滞在している、と指摘されています。一方、モバイルからのアクセスのほうがデスクトップ経由よりも滞在が長いサイトは50のうち10となっています。

Per Research Center

調査対象となっているトップ50のデジタルニュースサイトの詳細データは以下のリンクから閲覧することが可能ですが、各メディアの滞在時間までもがモバイル経由とデスクトップ経由で詳細にレポートされていて、とても興味深いです。例えばニューヨーク・タイムズは平均デスクトップ経由で5.9分と最長の滞在時間を誇り、モバイル経由で最も滞在時間が長いのはスポーツ専門メディアのブリーチャーズ・レポートで3.5分となっています。

*Digital: Top 50 Online News Entities (2015) | Pew Research Center's Journalism Project http://pewrsr.ch/1E84JQU
1
nextpage



underline
アクセスランキング
1時間
24時間
編集部お薦め記事
最新記事