デジタル・エディターズ・ノート
2015年05月05日(火) 佐藤 慶一

スピード感ある多言語・地域展開で、外国人読者の新たな選択肢を増やす---訪日メディアMATCHA代表・青木優さんインタビュー【前編】

upperline
訪日メディアMATCHA代表・青木優さん 4月21日取材

2014年、訪日外国人旅行者数が1341万人を超え、過去最高を数えた。2020年には2000万人を超えるとも言われ、インバウンド観光に力を入れる行政・企業、プロジェクトが多く生まれている。そこで重要になるのは、訪日外国人向けの情報発信だ。

この数年でも、グーグルの「COOL JAPAN on Google+」や経産省の「100 Tokyo」、アソビシステムの「もしもしにっぽん」などさまざまな訪日外国人向けのWebメディアやプラットフォームが誕生し、英語で情報を届けている。今回は2014年2月にスタートした訪日外国人向けWebメディア「MATCHA」を紹介したい。運営開始から1年と少しが経ついま、株式会社Sen代表の青木優さんにインタビューを実施。前編ではMATCHAの概要やこれまでの手応えなどについてお伝えする。

6月にベトナム語版開設、今年中に10言語へ

――メディア開始から1年3ヵ月ほど経ちます。率直な感想をおしえてください。

青木:まず、東京オリンピック・パラリンピックがある2020年に向けて、インバウンドに関する意識や関心が高まってきていると感じています。2014年の訪日外国人旅行者数は1300万人を超え、今年は1500万人まで増えるのではないかとも言われていて、メディア外の環境が整ってきています。各都道府県や自治体、さらに個人までもが海外に対してなにかを発信したい。そういう意識が強くなっている状態は、MATCHAとしてはいい環境だと思います。

しかし一方で、会社組織としては大変な1年でした。むずかしさを感じたのは、メディアとして達成したいことに向けて、ひとつになって進んでいくことです。これまで、メンバーの増減など、組織としてはバタバタしたこともありましたが、最近ようやく落ち着いてきました。

まだ1年ほどのベンチャーですが、行政や省庁などと協働する機会もあり、未開拓な分野だからこそ挑戦できるのだと改めて思います。ひとつの行動が、100にも、1000にもなる。未開拓な領域ということは、自分たちで基準をつくることさえできると感じています。

――リリース当初から各国語への展開がありました(現在は8言語)。このスピード感は振り返るとどうでしたか?

青木:いいスピード感を持ってやれたと思います。英語、中国語、韓国語をまず展開し、その後にやさしい日本語、インドネシア語、タイ語に展開しました。言語毎に反応や傾向が異なり、特にやさしい日本語は文化庁などから連絡があり、思わぬところからの反応もありました。

いまは6月1日にスタート予定のベトナム語版を準備中です。ベトナム政府観光局 日本支局の設立準備委員会が日本にできて、ベトナム政府はもっと日本人にベトナム旅行してほしい、日本政府ももっとベトナム人を受け入れていきたいとそれぞれ考えています。そういうタイミングでベトナム語をリリースし、地道に情報発信していくことで、メディアという役割を超えて、国と国をつなぐ役割を少しでも果たせたらと思います。

今後も言語を増やしていくので、今年中には10言語にはなりそうです。実際に8言語まで広げてみても、各言語で読むことができる日本の情報は限られていると実感します。MATCHAが各言語に積極的に展開することで、訪日外国人にとって豊かな旅行体験のきっかけになれば嬉しいです。

――MATCHAを立ち上げた背景には、各言語で読める情報には有名なスポットが多く、体験が限定的になっているということがあったのですよね?

青木:そうです。今週末から台湾に出張に行くのですが、やっぱり日本語の情報だと安心感があって。その国の言葉で届けることで、親近感みたいなものが生まれるのではないかと思います。MATCHAでもそれぞれの国の人が親近感を持ってもらえたら嬉しいです。現状、外国と日本の読者の割合が半分ずつなので、今後はさらに外国語圏の読者を増やしていきたいですね。

1
nextpage



underline
アクセスランキング
1時間
24時間
編集部お薦め記事
最新記事