経済の死角

スタートトゥデイにアラタナを売却した理由---濵渦伸次代表取締役インタビュー

2015年04月16日(木)
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2015年3月25日、ファッションショッピングサイト「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」を運営するスタートトゥデイが、宮崎を拠点にECテクノロジーサービスを展開するアラタナを、株式交換によって完全子会社化することを発表した。買収金額は3月25日の株価終値換算で約29億円、実施日は5月28日を予定している。

アラタナ代表取締役の濵渦伸次氏に、今回のM&Aの経緯とともに、ファッションとEコマースの未来と地方ベンチャーの可能性について聞いた。

M&Aの経緯

― 今回なぜ、売却を決めたのでしょうか? IPOという選択肢はなかったのですか?

ベンチャーとしてのエグジットを考えたときに、IPOという選択肢ももちろんありました。「上場ゴール」とよく言われますが、僕らのやりたいことはもちろんIPOではなく、「宮崎に1,000人の雇用をつくること」です。昨年末に、改めて役員とその方向性について話をしていたときに、IPOと同時にM&Aという選択肢が挙がりました。スタートトゥデイさんとは、業務提携という形でお仕事をさせていただく予定をしていたのですが、その流れでM&Aの話が出てきたんです。こちらからM&Aの形についていろいろご提案をさせていただくなかで、僕らが掲げる目標の達成に近づけると確信し、売却を決めました。

― スタートトゥデイと組む、1番の決め手は何だったのでしょうか?

僕らは宮崎に本社を構え、エンジニアを中心にグループ会社も合わせると約150人を雇用しています。スタートトゥデイさんは、千葉に本社を構え、1,000人程の雇用を抱えています。地域に根付き、1,000人の雇用を生み出している点で僕らのロールモデルでもあります。そしてやはり、宮崎に本社を残したまま事業を拡大し、雇用を創出してくことにご理解いただけたのが一番の決め手ですね。地方は固定費が安いので、東京に本社を構えた大企業のコストセンター的な位置づけに捉えられがちですが、スタートトゥデイさんは、コストセンターとしての宮崎のアラタナではなく、アラタナの事業を評価し、テクノロジーを磨いて付加価値を高めていってほしいと言ってくださったのも大きいです。

― スタートトゥデイは、東京でなかなかエンジニアの確保が難しいなか、アラタナの800のサイトを開発・運営する実績と知見を高く評価していると、澤田取締役のインタビューで拝見しました。アラタナにとってのスタートトゥデイの魅力はどんな点ですか?

僕らは100人の社員のうち約半分がエンジニアという会社で、その開発力を評価いただけたことは嬉しく思います。一方、スタートトゥデイさんは、『ゾゾタウン』という強力な物流インフラシステムを持っています。やっぱりそこが一番の魅力ですね。僕らの開発力とスタートトゥデイさんの物流を組み合わせたらECコマースにおいて、インパクトの大きいことができるんじゃないか、と思っています。

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