毎日フォーラム~毎日新聞社

通訳案内士制度見直しの動き
多言語の人材、質の向上、就業増など課題が浮き彫り[観光]

2015年04月25日(土) 万年野党事務局
毎日フォーラム
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本航空客室教育・訓練室サービスアドバイザーが講師になって開かれたスキルアップセミナーの講義=福岡市のホテルで3月18日

訪日外国人観光客の増加に伴い通訳ガイドのニーズが多様化している中で、国家資格の通訳案内士を仕事としている人が少なく、専門言語が英語に偏重しているなどの問題点が浮き彫りになってきた。国は東京五輪・パラリンピックが開かれる2020年までに外国人観光客2000万人を目指しており、ボランティアも含めた通訳人材の確保が急務だ。このため、観光庁は実態に沿うように通訳案内士制度を見直すための議論を始めている。

通訳案内士は、1949年施行の通訳案内士法で設けられた国家資格で、試験に合格して都道府県知事の登録を受ける必要がある。言語は英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、韓国語、タイ語となっており、年齢や性別、学歴、国籍などに関係なく受験できる。

外国人旅行者に日本を正しく理解してもらうために語学力だけでなく、日本の地理や歴史、産業、経済、政治、文化といった分野の幅広い知識が求められる。その後、06年には都道府県が試験する「地域限定通訳案内士」が設けられた。さらに規制緩和で特例が認められ、国家試験に代えて地方自治体の研修を修了した者を登録する「特例ガイド」が創設された。

観光庁は、資格制度の創設から60年以上が経過しているから、制度の見直しが必要と判断して昨年、「通訳案内士制度のあり方に関する検討会」を設置し、これまでに7回の検討会を開いている。通訳案内士団体やボランティアガイド団体、観光・経済団体などからヒアリングを続けており、それをまとめた結果は、政府全体で取りまとめる「観光立国実現に向けたアクション・プログラム2015」に盛り込む予定だ。

観光庁によると、通訳案内士は現在、全国で1万7736人が登録されている。このうち、75・0%が首都圏や京都、大阪、兵庫といった都市部に集中している。専門の言語は英語が全体の66・9%と多く、他の言語の通訳案内士が少ないのが現状だ。

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