毎日フォーラム~毎日新聞社

国が「ふるさと名物」応援
地域ぐるみで商品開発・販路拡大目指す[地方創生]

2015年04月11日(土) 万年野党事務局
毎日フォーラム
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地場産品や観光をテコに地域活性化を目指す国の「ふるさと名物応援」の取り組みがスタートした。2014年度補正予算で商品開発や販路開拓、割引販売などへの補助事業費を計上。さらに地域資源を活用した中小企業による新事業の成果を地域経済全体に波及させるために市町村の関与を強める中小企業地域資源活用法改正案を今国会に提出、成立を目指している。

中小企業庁は、農林水産省、国土交通省など関係省庁とともに同法(07年施行)に基づき、「地域産業資源」として都道府県に指定された農林水産物、鉱工業製品、観光資源などを活用する中小企業の事業計画を認定、支援を行ってきた。具体的には商品開発や販路開拓などの事業の対象経費に対し3000万円を上限として3分の2を最長5年間補助し、中小企業基盤整備機構(中小機構)がマーケティングなどの専門家を張り付けてアドバイスするなどをしてきた。

この制度で、山形県上山市のワイナリーが同県産のブドウのデラウエア種を使った微発泡ワインを地域ブランド品として開発し、製造・販売する事業や、愛知県の瀬戸焼の技術を活用したスマホ向けのホーン型の拡音器機能を持った陶磁製インテリア商品の開発、沖縄産島豆腐をベースにした薫製の開発、京都府亀岡市のトロッコ列車や川下りと連動して府立保津峡自然公園を馬車で巡る観光サービス事業など、14年度末までの8年間で1333件が認定された。

しかし、ほとんどが単独の事業者の取り組みで、事業者自体の売り上げは上がるものの地域活性化の視点からすると面的な広がり、地域経済への波及効果も限定的だった。また、画期的な製品を開発しても販路開拓で苦戦したり、消費者ニーズを捉えきれないなどの課題が残る、と考える事業者も少なくなかった。

改正案による新しい制度の特徴は三つある。一つ目は、地域ぐるみの取り組みを狙い市区町村が積極的に関与する体制を作ること。市区町村が国の基本方針に基づいて「ふるさと名物応援宣言」を出して、推奨する「ふるさと名物」を地域をあげて応援し、情報発信をしてもらい、国も優先的に応援するというもの。

二つ目は、販売力強化策として地域資源活用支援事業計画の認定の仕組みを創設。NPO法人など非営利団体がふるさと名物の販路開拓や情報発信などをして中小企業者をサポートする事業を国が認定し、中小企業信用保証枠の拡大特例などを適用して支援をする。また、小売業者やネット事業者など市場動向の情報を持つ業者と地元の中小企業が開発の段階から連携して、市場ニーズにあったふるさと名物を作ったり、市場変化に合わせて改良していくことも促進する。

三つ目は、支援の対象に体験型観光を加えたこと。近年、田植えや稲刈りなどの農業体験や、陶芸などの工芸体験、工場見学などの体験型観光の人気が高まっている。これまでは同法の支援の対象ではなかったが、ニーズの高まりを受け地域活用事業の定義を拡大して農産品や鉱工業品を活用した体験型ツアーの開発、販路開拓にも補助金などを出せるようにする。

地域創生事業の一環として急きょ組み入れられた14年度補正予算には、「ふるさと名物応援事業」として40億円が計上された。4社以上の中小企業グループや組合が地域資源を活用した「ふるさと名物」を開発し、地域ブランドとして販路開拓したり、観光産業と他産業が連携して地域ぐるみで観光商品を開発する取り組みに対して2000万円を上限に対象費用の3分の2を補助する。

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