磯山友幸「経済ニュースの裏側」

ついに「非正規社員」減少、雇用環境改善で「人手不足」の時代が始まる

2015年04月01日(水) 磯山 友幸
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グラフは、雇用者数の推移(棒グラフ)と、対前年同月比伸び率(赤線)

非正規雇用といえば、20年続いたデフレ経済の落とし子のような存在で、企業が労働コストを引き下げる切り札として多用されてきた。正社員がやっていた仕事を、パートやアルバイト、契約社員に置き換える動きが続いたのである。なかなか正社員としての働き口がない中で、働く側も非正規雇用に甘んじてきたケースが少なくない。

人手不足が全国に広がる

ところが、この非正規雇用に変化の兆しが見え始めた。昨年来、人手不足が言われる中で、非正規の雇用者数が遂に減少に転じたのである。

総務省が3月27日に発表した2月の労働力調査(速報)によると、「非正規の職員・従業員数」は1974万人と前年同月比15万人減少した。一方で「正規の職員・従業員数」は3277万人と58万人増加。雇用者数全体としては51万人増の5595万人となった。雇用者が増える中で、非正規から正規へのシフトが起きたとみることもできる。

2012年末に安倍晋三内閣が発足して以降、雇用者数は増加が続いている。安倍首相も「アベノミクスによって雇用を100万人以上増やした」と繰り返し発言してきた。実際2012年12月~13年2月の3ヵ月の平均雇用者数と、2014年12月から15年2月のそれを比べると、114万人増加している。

これに対して野党は、「首相は雇用が増えたと自慢しているが、増えたのは非正規雇用だけだ」と批判してきた。正規雇用はむしろ減って、非正規ばかりが増えたというのである。

この批判も、統計を見れば正しかったことが分かる。政権発足以来、昨年の夏ごろまでは、ほぼ一貫して正規雇用は減少。これとは逆に非正規は大きく増えていた。

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