経済の死角

「グノシー上場」徹底分析! 予想PERは異次元の5241倍、適正な株式流動性、個人投資家の大きな関与が効いた稀有なケース

2015年03月31日(火) 田中博文
upperline
グノシーのサービスサイトのトップページ
【記事ハイライト】
・株式時価総額は332億円、予想PERは異次元の5241倍、株式流動性は適正
・起業家が今度は投資家に回る、米国型ベンチャーエコシステムの成功例
・業績見込みの精査はさらにしっかりと行う必要あり

株式時価総額は332億円、予想PERは5241倍。株式流動性は適正

ニュースキュレーションアプリ運営の株式会社Gunosy(グノシー)が3月24日にマザーズに上場承認されました。上場日は4月28日です。

会社設立は2012年11月。上場までに約2年半しか経っておらず、極めて短期間での新規上場(IPO)となります。今回、株式時価総額が332億円なので、株式時価総額ベースであれば、直接東証一部への上場も可能なのですが、東証上場の形式基準では事業継続年数が3年以上求められるので、マザーズへの上場となります。

今期の業績予想は、売上約30億円、経常利益500万円。想定発行価格が1,520円、予想PERは5241倍です。今年すでに上場した企業の予想PERの平均が18.3倍なので、ちょっと次元の違う話ですね。

ただし昨年も同様なケースがあり、2014年6月に上場したフリークアウトというインターネット広告解析の会社の予想PERが6451倍でした。いずれにしろ、同業他社比較というよりは、将来の突き抜けた成長をどれだけ見積るかということになります。この企業価値評価(バリュエーション)の算定は主幹事が行うものであり、その評価根拠の詳細が表に出ることはありません。

また、バリュエーションと同じくらい、重要な指標ファイナンスの規模を測る指標として、オファリングレシオ(Offering Ratio)があります。計算は簡単で(公募株+売り出し株)/本件公募含む発行済株式総数)。要は発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出(公募・売り出し)すれば、適正に投資家が株を消化できるかという指標のことです。

このオファリングレシオはIPOを成功させるために極めて重要なファクターとなっており、このレンジはIPOの場合、25%程度が適正だと言われています。

今回Gunosyは、公募増資が350万株で約53億円、売り出しが241万株(オーバーアロットメント含まず)で約37億円の合計90億円のファイナンスとなり、本件のオファリングレシオは27%。今年のIPOの平均が26.9%、昨年の平均が26.1%であることを勘案すると、平均的な水準と考えて良いでしょう。

1
nextpage



underline
アクセスランキング
1時間
24時間
編集部お薦め記事
最新記事