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人は何歳で一番賢くなるのか? ビッグデータ解析で明らかに

2015年03月19日(木) 小林 雅一
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〔PHOTO〕Thinkstock

約5万人のデータで検証

人間の知的能力は、年齢に応じて複雑に変化するということが、米ハーバード大学などの研究から明らかになった。

●"Older Really Can Mean Wiser" The New York Times, MARCH 16, 2015

●"When Does Cognitive Functioning Peak? The Asynchronous Rise and Fall of Different Cognitive Abilities Across the Life Span" Psychological Science, March 13, 2015

私たちの運動能力や知的能力が歳と共に変化することは、(科学者に言われずとも)誰でも実感している。知的能力に限ってみれば、たとえば「物覚えの良さ(記憶力)」や「暗算力」などの能力は若い頃の方が高い。一方で「相手の目や顔色を見て、その人の心理状態を推し量る」といった社会的な能力は、年齢が上になるほど高まる。これらは言わば私たちの常識だ。

が、従来、これらの知見は私たちが経験的に感じ取ってきたことで、必ずしも科学的な研究成果として実証されたわけではない。冒頭のハーバード大学などの研究では、10~89歳までの約5万人の被験者に様々な知能テストをオンライン(ウエブ上)で受けて貰うことにより、これら人間の知的能力が年齢に応じてどう変化するかを科学的に検証したという。

流動性知能と結晶性知能

これまで、人間の持つ知的能力は「流動性知能」と「結晶性知能」の2つに大別して考えられてきた。流動性知能とは、「記憶力」や「思考力」のような人間が生来持つ能力。一方、結晶性知能とは「学校で受けた教育」や、「仕事・社会生活の中で得た経験」に基づいた知能である。一般に流動性知能は若い頃の方が高く、結晶性知能は年齢を重ねるほど高まると見られてきた。

が、今回の研究からは、実際にはそれほど単純ではないことが分かったという。たとえば流動性知能の中でも「頭の中で数字や記号などを操作する速度」は10代後半でピークを迎える。これは従来の経験的な常識と一致する。一方、記憶力については従来は漠然と「若い頃の方が良い」と思われてきたが、今回の研究によれば記憶力にも色々あって、それらを個別に見るとピークを迎える年齢は異なるという。

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