テレビのヨミカタ
2015年03月11日(水) 高堀 冬彦

もはや一方通行では通用しない! テレビ業界全体が視聴者の都合に合わせる時代に

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フジテレビHPより

テレビ界における最大の弱点

1月スタートの連続ドラマの視聴率が今一つ振るわなかった。誰の目にも「これは残念」と映る作品ばかりではなかったというのに、ヒット作の目安とされる視聴率15%を平均値でクリアする連ドラがない。いよいよテレビ界にとって最大の弱点が顕在化してきたのかもしれない。

テレビ界にとって最大の弱点とは何か? それは、どんなに良い番組を作ろうが、テレビ局側が定めた曜日、時間にしか放送できず、それに視聴者側が合わせなくてはならないという不自由さだ。

家庭内での娯楽が乏しい時代だったら、不自由であってもテレビの存在感は揺るがなかった。80年代までなら、視聴者がテレビ局側の都合に合わせるのは当たり前のこと。見たい番組の放送が始まる前に帰宅したり、あるいは用事を済ませたり。

しかし、今は違う。ネットが生活に浸透したため、余暇の過ごし方は無数にある。双方向のネットやケーブルテレビと比べ、一方通行のテレビは利便性において劣る。

この弱点の影響を連ドラはモロに受けてしまう。バラエティー番組ならば一度や二度、見逃したって平気だが、連ドラは違う。ストーリーが分からなくなったら、見る側は興味を削がれる。また、バラエティー番組は放送途中から見ても楽しめるが、連ドラは冒頭から視聴しないと分かりにくい。

視聴者がテレビ局側の都合には合わせてくれない時代

そんなテレビが持つ弱点の緩和を図ろうとしたのか、視聴者の都合に合わせたようなドラマが2ヵ月前に放送された。フジテレビのスペシャルドラマ『オリエント急行殺人事件』である。1月11日(日)と成人の日だった12日(月)の2夜連続放送だった。

寒い冬の休日夜なので、在宅率は高かっだろう。しかも、金のかかる年末年始の直後だったから、余計に外出する人が少なかったはず。その上、2夜連続だったから、次の放送まで長く待たされることもなかった。結局、このスペシャルドラマは16.1%と15.9%という高視聴率を記録。人気者の三谷幸喜氏の脚本で、キャストも豪華だったとはいえ、1月スタートの連ドラ群より好成績だったことは注目に値する。

生まれた時からパソコンがあった10代や、動画やゲームのオンデマンドに慣れ親しんでいる20代にとって、テレビ局側の都合に合わせるのは苦痛なのだ。それは大学のメディア関係者らが学生を対象に行う調査などでも明らかになりつつある。

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