デジタル・エディターズ・ノート
2015年03月12日(木) 佐藤 慶一

「少人数向け有料サロンは、良質なコンテンツづくりと収益化の両立を実現する」---シナプス代表・田村健太郎氏に聞く、体験型コンテンツ消費の可能性と課題

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良質なコンテンツづくりとマネタイズを両立する「オンラインサロン」

だれでも情報発信できるようになったことは、だれでもが豊かな情報受信や情報体験を得られるということを必ずしも意味しない。個人で良質なコンテンツをつくってもマネタイズがうまくいかないこともあれば、メディアのマネタイズ(収益化)の中心が広告であるためPV主義におちいる場合もある。

では、これから個人やメディアはどのようにコンテンツで稼いでいくことができるのか。

このむずかしい問いに対して、有料サロンという切り口を紹介したい。取り上げるのは有料会員制のオンラインサロン・プラットフォーム「Synapse(シナプス)」だ。「堀江貴文サロン」(月額10,800円)には600名、作家・はあちゅう(伊藤春香)氏とブロガー・村上萌氏による「ちゅうもえの楽屋へいらっしゃい♪」(月額1,000円)には963名のメンバーが集まるなど新たなマネタイズ手法として注目を集めている。

シナプスは2月末に社名変更(モバキッズからシナプスへ)と、サイトリニューアルをおこない、3月10日にはプライマルキャピタルとディー・エヌ・エーから資金調達を発表。シナプスというブランドに統一し、急成長を目指す。今回、「新時代の体験型コンテンツ消費」を提案する同サービスを手がけるシナプス株式会社 代表取締役社長・田村健太郎氏に、シナプスのこれまでとこれから、ウェブ上のコンテンツやメディアに対する問題意識などを聞いた。

2007年にモバキッズ設立後、Web漫画投稿コミュニティサイトや電子書籍関連サービスなどを運営してきた田村氏。2012年6月からオンラインサロン・プラットフォーム運営をおこなっているが、その考え方は一貫している。インターネット上における新しいコンテンツ流通の文化をつくり、その普及を目指すことだ。おもしろい漫画を描いても、おもしろい電子書籍を出しても収益化がうまくいかない。そのような状況下で、良質のコンテンツが流通するためには、プロではない個人のコンテンツクリエイターが収益化に成功するには――という点を常に考えてきたという。

もともとシナプスという名前で電子書籍やファイル販売ができるサービスを開発・運営したこともあった。結果は失敗したというが、だれかが書いたものを読み放題できるプランが思いのほか受け、それに付随したグループ機能も盛り上がりを見せた。また、有料サロンのはしりとも言える玉置沙由里氏の有料サロン「MG(X)」のシステムを個人的に手伝っていたこともきっかけとなり、サロン的なコミュニケーションや場の可能性を感じたという。

「電子書籍など単発のマネタイズを図るサービスはうまくいきませんでしたが、玉置さんのサロンでは100人規模でメンバーが集まることを目にしました。単価を上げ、少数のファンからお金をもらう仕組みのほうがうまく回るのではないかと思い、オンラインサロン・プラットフォームをはじめることにしました」

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