伊藤博敏「ニュースの深層」
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東証が上場企業の「社外取締役」2人義務付け。高笑いする「社外取締役マーケット」の面々は、官僚OBに士族、大学教授・・・

2015年03月05日(木) 伊藤 博敏
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オリンパス事件では、ワンマン経営者を前に社外取締役は何の機能も果たせなかった  photo Getty Images

社外取締役が本当に機能するのは、経営者の暴走、開き直り、居座りに対して直言、身を呈して会社を守ることだろう。

だが、そんな一言居士は、ついぞ目にしたことがない。10年以上も粉飾決算を続けてきたオリンパスには3名の社外取締役がいたが、彼らがチェック機能を働かせることはなかった。

東証1、2部上場企業に2名の社外取締役を義務付け

ところが、日本取引所グループ(JPX)は、2月24日、傘下の東京証券取引所1部と2部に上場する企業に対し、「2名以上の独立社外取締役の選任」を促す新しい上場規制を発表した。

目的は、社外取締役が半数を占める欧米型の企業統治をモデルに、社外の視点を取り入れて企業経営の規律を高め、収益力を向上させることだという。

JPXの斉藤惇最高経営責任者(CEO)は、定例記者会見で「複数の独立社外取締役を入れるのは大変なことだが、これで企業経営が変わり、成長が生まれれば責任を果たせる」と述べた。

確かに、「大変なこと」である。

新しい上場規制の適用は今年6月から。東証1部と2部に上場する約2400社が対象となる。既に、社外取締役を選任している企業はあるものの、ゼロもしくは一人というケースが多く、「2名の義務付け」で約3000人が必要となる計算だ。

ただ、誰でもいいわけではない。

同業者から選任は出来ないので、他業界の経営者は、社長、会長の学閥や地縁血縁、異業種交流における知人友人となりがちで、言うなれば「お友達取締役」である。

この“馴れ合い”を避け、かつ監督官庁の覚えをめでたくするために受け入れがちなのが官僚OBである。

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