伊藤博敏「ニュースの深層」
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115億円返還請求のサッポロ「国税の顔色を窺っている時代じゃない」 世界のビール業界は再編後の競争に突入

2015年02月26日(木) 伊藤 博敏
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国税の顔色を気にしている場合じゃない!?  photo Getty Images

酒類の製造免許を持ち、酒税も握る「天下の国税」に、サッポロビールが115億円の返還請求をするという前代未聞の“反乱”から約1ヵ月が経過した。何が起きているのかを、改めて検証したい。

 やはり「第3のビール」

糖質ゼロ、プリン体ゼロを実現、大ヒット商品となっていたサッポロの第3のビール「極ゼロ」が、昨年の6月に姿を消した。

だが、その理由は判然としなかった。

サッポロビールは、6月4日、記者会見を開いて、尾賀真城社長が「『極ゼロ』は、現行の税率区分に該当するものと認識している。ただ、今後の検証の結果、該当しないと判断した場合、多くのお客さまやお取引さまにご迷惑をおかけすることになるため、自主的に終売を決定した」と、述べた。

背景には複雑な酒税問題がある。

ビール類の350ミリリットル缶当たりの酒税額は、ビールが77円で発泡酒が47円で第3のビールが28円。サッポロは、「極ゼロ」を第3のビールとして開発して販売。その製法には自信をもっているが、国税がそう認めない可能性があるので、自主的に販売を中止したというのだ。

そのうえで、7月には登録を発泡酒に切り替えて再発売。「第3のビールではない」と認めたのだから、発泡酒との差額は国税に支払わなければならず、差額115億円を自主的に納付した。

第3のビールだが、“お上”がうるさいので発泡酒にしておきます――。

こういうことである。

酒類の製造免許は国税が握り、しかも前述のようなややこしい税率区分がある。サッポロは悔し涙を飲んだ、ように見えた。

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