磯山友幸「経済ニュースの裏側」

世界経済はスイスの高級腕時計でわかる。中国人が日本で時計を買う事情とは?

2015年02月25日(水) 磯山 友幸
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                                                                                                    photo Getty Images

スイス時計協会(http://www.fhs.jp/jpn/homepage.html)がまとめた2014年のスイス時計の輸出先国別統計が興味深い。世界の主要国での高級時計の売れ行き傾向がはっきりと見え、各国の景気の良し悪しが端的に伺えるからだ。

中でも、アベノミクスによって高額品ブームが起きた日本の好調ぶりは鮮明で、世界でも最も好況に沸いた代表的な市場となった。もっとも、4月の消費増税後は伸び率が大幅に鈍化しており、今年も日本が世界の高級時計市場をけん引することができるかどうかは不透明な情勢だ。

スイス高級時計の輸入額は15.2%増

統計によると、2014年1年間のスイスから日本への時計輸出額は13億3060万スイスフラン(約1660億円)と、前年に比べて15.2%増えた。アベノミクスが始まった2013年も前年比で5.7%増えていた。

昨年は消費税増税前の駆け込み需要が大きく1-3月の伸び率は前年同期比で30.8%増を記録していた。消費税増税以降は反動によって伸び率は大幅にダウンしたが、年間統計には駆け込み需要の余韻が大きく残った格好になった。

スイス時計の輸出先は香港がトップで、41億2290万スイスフランと群を抜いている。次いで米国の23億7770万スイスフラン、3位は中国で、14億150万スイスフラン。日本はこれに次ぐ4位だった。ちなみに2013年はシンガポール、米国、中国、ドイツ、イタリアに次ぐ6位だったから、昨年1年間でドイツとイタリアを抜いて躍進したことになる。

アベノミクスによる大胆な金融緩和によって株価が上昇。いわゆる「資産効果」で、百貨店などで高級品が売れまくった。スイス時計を中心とする高級時計は、まさにその波に乗ったのである。

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