「現代ビジネス」政策講談-それ本当ですか?

“原発40年規制”の根拠は「科学と技術」でなく「政治と空気」 ~ 専門家でない政治家が決めた危険な安全ルール

石川和男

2015年02月25日(水)
upperline

野党だった自民・公明が対案として提出

原子力発電所であろうと、それ以外の事業所であろうと、その設置について許可制にするか届出制にするかは、政治的に決められるべきものだ。実際、どの法令でもそうなっている。

他方で、許可制であれ届出制であれ、それに必要な技術基準(いわゆる安全基準)の内容は、政治的な空気ではなく、科学的技術的な精査の結果を踏まえて決められるべきものだ。これは、国内外問わず、常識中の常識だ。

しかし、そうした常識どおりに決められたわけではない安全基準がある。それが、“原発40年規制”。日本では、原発を稼働させられる期間は、運転開始から40年に制限することが原則となっている。但し、国の原子力規制委員会の認可を受けた場合には、1回限り最大20年の延長が認められることになっている。

この非常識な“原発40年規制”は、実はつい最近決められたものだ。2011年3月の東日本大震災による東京電力福島第一原発事故の後、当時の民主党政権が突如打ち出した。この“40年”という数値には、何ら科学的技術的な根拠はない。政治的に何となくこんな程度だろうという空気の中で決められた。

それを如実に示しているのが、平成24年(2012年)6月18日の参議院環境委員会における原子力規制委員会設置法案の審議での、同法案提出者の一人である田中和徳・衆議院議員(自民党)と、質問者の加藤修一・参議院議員(公明党)の質疑である。抜粋しても少々長いのだが、とても大事な部分なので以下に掲載しておきたい。同法案は、当時の民主党政権による政府案に対して、当時野党であった自民・公明両党が対案として提出したものだ。

「40年の判断は規制庁が」

加藤修一・参議院議員(公明党): 運転40年、これ、廃炉にするという法定基準というのをもう法律で定めようと、そういう話になっておりました。ただ、・・・法律ができて以降、それを見直ししようという話があったようで・・・

田中和徳・衆議院議員(自民党): ・・・40年については、我が自民党、そして公明党、野党側の案の中には、規制委員会、規制庁ができた後、専門的な知見の中で判断をしていく流れをという思いがありまして、当初、我々の案の中には入っておりませんでした。政府側の案として出てまいりましたし、また与党側のお話もその点が強調されたところがございまして、私たちは相当な協議をさせていただきましたけれど、40年も認め、そして委員会がスタートし規制庁がスタートした段階で、これをしっかりと各炉ごとに、そしていろんな条件を精査をして正しい判断を行っていただきたい、こういうふうに決定をしたところでございます。

1
nextpage



underline
アクセスランキング
1時間
24時間
編集部お薦め記事
最新記事