井上久男「ニュースの深層」
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ホンダは、ソニーになってしまうのか。本田宗一郎の精神を失った経営は負のスパイラルに

2015年01月31日(土) 井上 久男
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発売日が2度も遅れたレジェンドで巻き返しなるか      photo Getty Images

北米市場の伸びや円安効果によって過去最高益を更新する見込みが多い日本の自動車メーカー。その中で、唯一、1社のみ蚊帳の外に置かれた会社がある。それはホンダだ。かつてのソニーと同様にブランドイメージの高さから日本の製造業をけん引してきたが、商品・技術戦略の失敗によって、経営の実態はボロボロになりつつある。

 国内と中国で販売が落ち込み

1月30日、ホンダは大手自動車メーカーのトップを切って2015年3月期の第3四半期決算を発表した。その中で公表した1年間を通じての15年3月期決算通期の業績見通しを下方修正した。昨年10月29日に発表した中間決算発表時点での見通しとの比較では、売上高は8・9%増の12兆9000億円となるものの、本業のもうけを示す営業利益は4%減の7200億円、当期純利益は5・1%減の5450億円となる。

増収減益の理由を簡潔に言えば、円安効果で増えた売上高を、品質問題に起因する販売減で食ってしまったことにある。後述するが、この品質問題は、伊東孝紳社長の経営の舵取りの失敗による「人災」的な側面もある。

減益要因は3つある。まずは、国内と中国での販売の落ち込みが挙げられる。中でも目も当てられないのが国内販売の減少だ。

中間決算時点では四輪車の国内販売を期初見通しの103万台から93万台に下方修正したが、今回はさらに10万台下方修正して83万台にまで落ちる。国内の主力商品である小型車フィット・ハイブリッドが短期間に立て続けに5回もリコールを起こした品質問題の影響により、販売店への来客者数が減少して、全体的な販売減につながった。

次は、その国内販売の減少によって、工場の稼働状況が落ちたことだ。ホンダでは、国内で生産したものを国内で売る「地産地消型」のもの造りを推進し、輸出を減らしてきたため、国内販売が落ちれば、工場の稼働率が落ちる。

たとえば、狭山工場では、オデッセイの販売不振から昨年11月には毎週金曜日に生産ラインが止まった。その代替え出勤で今年1月の土曜日の出勤が決まっていたが、販売が回復しないため、社員を出社させたものの、工場は止まったままだった。自動車メーカーは高額の設備投資をして人件費も高い。こうした固定費が高い中で、稼働率が落ちて、働きたくても働けない社員に給料を払えば一気に収益性が落ちる構図だ。

3つめが、タカタのエアバッグの事故の影響で品質関連対策費を計上したため、それが500億円の減益要因となった。

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