伊藤博敏「ニュースの深層」
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東京オリンピックまでに北陸新幹線・福井延伸を推進する稲田朋美・自民党政調会長の「郷土愛」

2015年01月29日(木) 伊藤 博敏
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稲田朋美・自民党政調会長が“剛腕”を発揮、北陸新幹線の金沢―敦賀間の開業を3年前倒し、2022年度としたうえで、さらに2020年東京オリンピックまでに、金沢―福井間の延伸を、「今夏までの検討課題」に入れ込むことに成功した。

 北陸新幹線へさらに露骨な政治介入

稲田朋美・自民党政調会長は福井1区が選挙区 photo Getty Images  

かなり露骨な政治介入である。

ムダを指摘されることの多い整備新幹線を、3年前倒しするのにも、相当、無理な予算編成を強いられるのに、金沢―敦賀間の途中にある福井県の中心地・福井市まで、さらに2年前倒しして開通させ、東京オリンピックに間に合わせるというもの。

その推進役が稲田氏。これまで稲田氏につきまとうのは、靖国神社に毎年、参拝し、議員連盟「伝統と創造の会」の会長で、尖閣、竹島など領土問題に関する発言も多いタカ派議員のイメージだった。

稲田氏を最も買っているのが、歴史観の近い安倍晋三首相である。

安倍政権下で副大臣や政務官の経験もないのに、規制改革担当相、国家公務員制度担当相などの閣僚ポストを歴任。昨年9月には、当選3回(現在は4期目)で、党3役の政調会長に就任した。

「次のスターを作るチャンスだ!」

安倍首相はこう述べたという。

もともと弁護士出身で論理的思考に優れ、バリバリの改革派。「将来は日本のサッチャー(元英首相)」という声も上がる稲田氏だが、利権や地元への利益誘導絡みで語られることは少なかった。

高級ブランドの洋服を身に付け、「政界のおしゃれ番長」の異名を取り、13年にはトレードマークの伊達メガネで「メガネベストドレッサー」を受賞したが、これは選挙区の鯖江市がメガネの生産地であるため。

そのあたりで発揮されていた郷土愛が、選挙区の福井市への新幹線延伸という形に表れるようになった。実力に見合ったものに変わってきたというべきか。

今年に入ってからの経緯を振り返ってみよう。

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