経済の死角

恐怖の逆走が始まる この「円安」は突然、終わる ——「円安シフト」はもう遅い、地獄を見ることに

2015年02月03日(火) 週刊現代
週刊現代
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黒田総裁も難題に直面している〔PHOTO〕gettyimages

いつまでも続くはずがない

円高株安という見たくもない光景が日本市場に立ち現れたのは、1月半ばのことだった。

きっかけを作ったのはスイス。スイスの中央銀行は通貨スイスフランがユーロに対して高くならないように為替市場への無制限介入という政策を行っていたが、これを突如終了すると発表。大混乱に陥った投資家が株などのリスク資産を売る一方で、安全資産である円や日本国債への資産逃避に雪崩を打ったのである。

メディアはこの事態を「有事の円買い」と解説。スイス・ショックの余波は時の経過とともにおさまり、為替は再び円安基調に戻っていくと説明している。

しかし、そんな「安全報道」を鵜呑みにしていられない事態が水面下で進行していることはあまり知られていない。

FXプライム・チーフストラテジストの高野やすのり氏が言う。

「スイス・ショックを契機に、投資家の間で中央銀行をどこまで信用していいものかという疑心暗鬼が広まっています。そしてスイスと同じようなことが起きた場合、最も大きな影響が出てくるのは日本だと見られている。スイスは先進国の中で最も極端な金融政策をとっていましたが、そのスイスに次いで過激な政策に舵を切っているのが日本銀行だからです」

クレディ・スイス証券チーフエコノミストの白川浩道氏も言う。

「日本銀行が異次元緩和を始めてまもなく3年目に突入しますが、大量に国債を買い続けるこの政策は限界が近づいてきました。スイスの例を見てもわかるように、無理のある異常な政策はどこかでやめなければいけない時が来るのです。そして中央銀行が降りる決断をした際には、副作用は避けられない。このほどスイス中銀がギブアップすると、スイスフランは対ユーロで一気に3割ほど急騰しました。日本に置き換えれば、1ドル=120円から85円になったわけで、日本でも同様の事態になればこれほどの急激な円高シフトが起きかねないといえます」

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