坂井直樹「デザインのたくらみ」

たった22名のデザイン・チームが生み出す、Appleの有り得ないまでのデザイン効率

2015年01月23日(金) 坂井 直樹
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"デザインシンキング"の極端な成功例

昨年の話になるが、パリの高級セレクトショップ"Colette"でApple Watchが発売された時にAppleのデザイン・チームが珍しく勢揃いした写真が「Cult of Mac」にアップされていた。これまでほとんどメディアに露出することのなかったデザイン・チームの初めての集合写真だろう。この辺りもジョブズ亡き後の傾向の一つかもしれない。

かつて16名(退社した西堀晋もその一人だった)だったメンバーが今では22名に増えた。iPhone、iPad等の大ヒット商品の裏方にいたデザイナーたちだ。少数精鋭の方針とはいえ、これは異常なまでの少なさだ。

一般的に、大企業と呼ばれるような大手電機メーカーは100~200名のデザイナーを抱えている。サムスンなどは例外的に多く1000名と言われているので、Appleのように時価総額50兆円規模のメーカーとしては考えられない人数なのだ。

2014年第1四半期の売上高は過去最高となる576億ドル約5兆9,050億円)を記録。今月末に発表される2015年第1四半期の売上高は635億ドル以上が予想されている。この驚異的なデザイン効率が生まれた理由は、商品の種類が合理的に絞り込まれていて少ないことと、iPhoneでもわかるように新製品のサイクルが比較的長いことにある。

それでも、たった22名のデザイナーが生み出す巨大な価値には驚くしかない。IDEOが生み出した"デザインシンキング"の世界的ブームの後、デザインが企業に及ぼす価値が言われ出したが、Appleはその極端な成功例だろう。

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