磯山友幸「経済ニュースの裏側」

消費増税のマイナス分を、いまだ取り戻せず!
安倍首相、「消費回復」へ何ができるのか?

2015年01月21日(水) 磯山 友幸
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海外では大盤振る舞いだが、国内ではアベノミクスは息切れか       photo Getty Images

株式相場の上昇や、公務員や大企業のボーナス増で期待された昨年の「年末商戦」が空振りに終わった。

消費増税の反動が続く

日本百貨店協会が1月19日に発表した全国百貨店売上高概況(店舗数調整後)によると、昨年12月は前年同月比1.7%減と、消費増税以降9ヵ月連続のマイナスとなった。アベノミクスによる円安で企業業績が改善、給与が増えるという「経済好循環」を安倍晋三首相は繰り返し強調しているが、その成果のバロメーターと言える消費は盛り上がりに欠けている。安倍政権発足後の1年間は消費好調が続いたが、そのムードを昨年4月の消費増税が一気に打ち砕いてしまった。アベノミクス効果の「息切れ」が鮮明になったと言えそうだ。

昨年1月から12月の累計では、0.3%のプラス(店舗数調整前は0.1%のマイナス)とほぼ前の年並みだった。4月からの消費増税を控えて、1~3月には駆け込む消費が膨らみ、特に3月は空前の売上高となったが、4月以降の9ヵ月間でその貯金をほぼ食い尽くした。

地域別では、大阪(3.3%増)、名古屋(3.1%増)、福岡(2.4%増)、東京(1.5%増)と、大都市圏では比較的順調だったが、大都市以外の地方は軒並みマイナスになった。百貨店消費でみても、地方経済の苦戦が目立っている。

また、商品別では「衣料品」(1.1%減)や「家庭用品」(1.7%減)、「食堂喫茶」(3.0%減)などがマイナスとなった。一方、駆け込み需要の大きかった「美術・宝飾・貴金属」(5.3%増)や「化粧品」(6.6%増)、ハンドバッグなどの「身の回り品」(2.7%増)は年間にならしても何とかプラスを維持した。もっとも、「美術・宝飾・貴金属」部門は消費増税前まで対前年同月比で二ケタの伸びが続いてきただけに、消費増税の反動がいかに大きかったかを示している。

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