テレビのヨミカタ
2015年01月21日(水) 高堀 冬彦

『半沢直樹』チームが再結集した『流星ワゴン』が期待以上に面白い! 原作を超える傑作!?

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「流星ワゴン」HPより

18日にスタートしたTBSの『日曜劇場 流星ワゴン』(午後9時)が抜群に面白い。福澤克雄ディレクターや伊與田英徳プロデューサーら『半沢直樹』(2013年)チームが再結集することで話題になったが、もはや過去の作品を引き合いに出すことはないだろう。『流星ワゴン』がチームの新たな代表作となるに違いない。

原作は直木賞作家・重松清氏のベストセラー小説。2002年度の「本の雑誌 年間ベスト1」にも選ばれた。重松氏といえば、NHKとTBSで二度もドラマ化された『とんび』の作者でもあり、当代屈指のストーリーテラーだ。

とはいえ、『流星ワゴン』は映像化が難しいと思っていた。正直なところ、原作をぶち壊す失敗作で終わるのではないかと危惧していた。だが、それは筆者の勘違いに過ぎなかった。福澤チームによるドラマは原作並みの秀作、いや、もしかすると原作をも超える傑作に仕上がっている。

現代版で和製の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』

ご覧になっていない方のために説明すると、初回のストーリーはこうだ。

主人公の永田一雄(西島秀俊)は43歳。末期ガンの父親・忠雄(香川照之)と母親・澄江(倍賞美津子)には隠しているが、一年前に会社をリストラされてしまい、美人妻の美代子(井川遥)には離婚届を突き付けられ、一人息子の広樹(横山幸汰)は家庭内暴力を繰り返している。仕事を失い、家庭も崩壊状態で、崖っぷちに立たされた男なのだ。

一雄は「なんで、こうなったんだ…」と頭を抱える。事実、粗野で破天荒だった父親の忠雄とは違い、一雄は誠実で真面目。その上、家族のために生きてきたはず。どこで人生を間違えてしまったのか分からない。

途方に暮れる一雄の前に現れたのが、1台の赤いワゴン車。乗っていたのは5年前に交通事故死した橋本義明(吉岡秀隆)と健太(高木星来)の親子だ。二人は一雄をワゴンに同乗させ、過去に案内する。一雄が人生を誤ったかも知れない時間と場所である。そして、一雄自身が気付かなかった人生の岐路に連れて行く。つまり、タイムスリップであり、現代版で和製の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(米映画、1985年)だ。

この不思議な旅には忠雄も加わる。しかも、現在の一雄と同じ43歳に若返っている。一雄は野蛮で乱暴者の忠雄が子供のころから大嫌いで、忠雄と違ったスマートな生き方を心掛けてきたが、皮肉なことに一雄のやり直しの人生のコーチ役となるのは忠雄。一雄に対して、夫婦論や子育て論などを身をもって教える。

やがて一雄は自分が忠雄を見誤っていたのではないかと思い始める。もしかすると荒っぽくて昭和の男そのものだった忠雄は、デタラメな父親ではなかったのかもしれない。当の一雄は忠雄と違って、理解ある夫、父親だったつもりだが、逆に間違いだったのかも・・・。

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