毎日フォーラム~毎日新聞社

学習指導要領の改定作業始まる
英語教育、新科目、課題解決型学習の指導法などが柱[教育]

2015年01月24日(土) 万年野党事務局
毎日フォーラム
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文部科学省は2015年から小中高校の学習指導要領の改定作業を本格的に始める。学習指導要領は各学校種で教える学習内容の最低基準で、ほぼ10年に1度改定される。今回は、小学校での英語教科化をはじめとする英語教育改革、高校での日本史必修化や新科目創設などが柱。「課題解決型学習」(アクティブ・ラーニング)のような新しい指導法の充実策が議論されるのも大きな特徴だ。次期学習指導要領は2020年度以降、小学校から順次実施を目指す。

11月20日に下村博文文科相が中央教育審議会(中教審)に、学習指導要領の改定を諮問した。これを受け、中教審に総則を議題とする企画特別部会が設置されるほか、教科やテーマごとに各部会で約2年かけて議論する。

学習指導要領は時代の変化に合わせ、その内容が変わり、「次の10年」の学校教育の方向性を定めてきた。1998年度改定では、完全学校週5日制実施(02年度)に合わせ、学習内容を削減した。「生きる力の育成」を目指して「総合的な学習の時間」を導入するなど、「新しい学力観」を打ち出した。しかし、「ゆとり」教育と名付けられて「学力低下」論が広がった。

そのため、現行の学習指導要領の内容を決めた08年度改定では一転「脱ゆとり」を掲げ、主要教科で学習内容を1割増やし、教科書も厚くなった。最近、落語が教材に取り上げられることが多いのは08年度改定で「伝統文化」の尊重が強調されたからだ。小学5、6年生での「外国語活動(英語)」や、中学での武道必修が始まったのもこの時の改定に基づく。

次期学習指導要領の諮問は、英語教育について「外国語でちゅうちょせず意見を述べ、他者と交流していくための力」の育成を目指すとしている。小学5年生から英語を教科化し、現在教科外の外国語活動を3年生に引き下げる。中学では、高校で実践されているような「英語による英語の授業」を基本とすることを求める。高校では「幅広い話題について発表・討論・交渉などを行う能力を高めること」を目指す。

高校では、自国の歴史の理解を深めるために日本史の必修化を議論する。国民投票の投票権年齢が満18歳以上となることなどを踏まえ、主体的に社会に参画し、自立して生活していく実践力を育成するため、自民党が提案している「公共」(仮称)のような新科目創設も検討する。「より高度な思考力・判断力・表現力を育成するため」の新教科・科目も議論の対象になる。例えば、「先端科学」という科目案が浮上している。

幼稚園・保育所から小学校への円滑な接続を図るため、小学1年生の学習内容の一部を移行させることも議論される見通しだ。

今回の改定は、新教科・科目の検討だけではなく、指導方法や成績評価の改善にも力点を置いたのが大きな特徴だ。新たな指導方法として挙げられているのが「アクティブ・ラーニング」。課題を設定して生徒同士や教師と生徒が議論しながら解決策を探る授業法で「課題解決型学習」「双方向型学習」ともいわれる。

これまでは学習指導要領で指導方法にまで踏み込むのは、教員の自由度を奪うとして「タブー」とされてきた。なぜ今回、その殻を破ったのか。

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