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「1ヵ月後の巨大噴火を予知」そのとき、原発をどうするか?核燃料棒の取り出しは、とても間に合わない

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桜島を中心とする姶良カルデラ、鹿児島湾南端に位置する阿多カルデラ、さらに南の海、大隅海峡に出ると、薩摩硫黄島などを含む鬼界カルデラなどだ。

これらの火山を中心にして火砕流の到達範囲を考えてみれば、川内原発が「火山の影響は考慮しなくていい原発」と言われて火山学者たちが愕然とした理由も明らかだろう。

実は、日本火山学会は川内原発の安全審査が進められていた4月末、学会内に原子力問題対応委員会を設置。石原和弘・京都大名誉教授や中田節也・東京大教授ら7人の専門家が、巨大カルデラ噴火を含む巨大噴火が原発にどう影響するかを検討してきた。

だが、結論が出る前の7月16日に、川内原発の再稼働を認める安全審査の結果が公表されてしまった。

11月2日には、原子力問題対応委員会を代表して、石原名誉教授らが、「噴火予測の限界、曖昧さの理解が不可欠」とクギをさし、「審査基準を見直すべき」との見解を公表。発表で石原名誉教授は、

「モニタリングで噴火予測ができるという前提は怖い」

とまで踏み込んだ。だが、原子力規制委員会の田中俊一委員長はこれを受けて、

「火山学会がいまさら言うのは私としては本意ではない」「(意見があるなら)もっと早急に発信すべきだ」

と不快感をあらわにした。

「継続的な観測で噴火を予測できるなどと決めつけられては困る」という意見に対しても、田中委員長は、

「火山学会をあげて、夜も寝ずに観測して頑張ってもらわないと困る」

と批判。感情的とも思える非難を重ねている。

破局の日を待つだけ

田中委員長は、「審査基準は火山学者の意見も聞きながら作った」とも指摘しているが、この主張には疑問も残る。たとえば昨年3月28日の原子力規制委員会の新規制基準検討チームの会合に、火山学会で原子力問題対応委員会に所属する前述の中田東大教授が招かれ、

〈火山をモニタリングしていても、噴火がいつ起こるということは、現在の技術では言えない〉

〈カルデラ噴火に至ってはまだ知見が不足し、よく分からないのが現状だ〉

と、はっきり伝えているからだ。

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