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信じる者は救われる 南海トラフ大地震は 本当に来るよ
週刊現代 プロフィール

「経済的なダメージが大きいなかで増税をすると経済に対する悪影響も大きくなる。また震災後はすぐに復旧・復興を始める必要があり、増税は時間がかかる。

 すると、現実的に取りうる主な手段は借金になります。国内は企業も個人も資金需要が逼迫していると思われるから、『外債』が中心となるでしょう。関東大震災の際も主な復興財源には外債が活用されました」

 その発行額はどれくらいになるのか。東日本大震災で政府は復興国債を'12年度末までに約14・3兆円発行したが、かりにこれを13倍すれば185・9兆円。GDPの約40%にも達する。

「問題になるのは金利です。関東大震災のときの外債は金利が日露戦争当時に日本が発行した外債の利回り5%強~6%を上回る8%となり『国辱公債』と批判されました。恐らく同様な事態になると思われます。

 震災時の経済環境にもよりますが、いまのスペイン、イタリア国債並みの5~6%になることは覚悟しなければいけない」(前出・一橋大学大学院佐藤教授)

「日本に住む」ことがリスク

 スペイン、イタリアといえば、財政悪化で破綻寸前と目される国だ。25歳以下の失業率も50%近い異常な状況が続いている。日本は一流国の座から完全に滑り落ち、三流国に転落すると言っても過言ではない。

 一方、震災で生産能力が低下し、国債増発で金利が上昇すれば、庶民の懐を直撃するのがインフレだ。

「どの程度のインフレになるかはなんとも言えませんが、印象として3%程度は想定していいと思います。

 これはとくに年金生活をしている人や預金を切り崩して暮らしている人に大きな影響を与えます。年金は物価スライドとなっていますが、震災後に予想されるような大幅なインフレには到底対応できない。日常生活にも困窮することになりかねません」(前出・一橋大学大学院佐藤教授)

 悲劇的な予測だが、これでもまだ穏やかなものだといえる。南海トラフの大地震がなくとも、日本の国債発行残高は'13年度末で855兆円と過去最高。GDPの2倍近い数字に膨れ上がっている。