信じる者は救われる 南海トラフ大地震は 本当に来るよ

2013年06月18日(火) 週刊現代

週刊現代賢者の知恵

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 加えて、前出の島村氏はこう指摘する。

「東日本大震災のときも新宿の高層ビルなどを大きく揺らして話題になりましたが、ゆっくりとした大きな揺れの、長周期地震動が非常に恐ろしいと思います。

 南海トラフの場合は断層の動き方などの関係で、東日本大震災より大きな長周期地震動が東京、名古屋、大阪の高層ビルを襲うでしょう。高層階では、振幅にして5mくらい揺れるかもしれない。重いコピー機や冷蔵庫が飛び回って、簡単に人間を押しつぶしてしまうでしょう。それらがビルの外壁を破って飛び出してくることもありえる。人間も一緒に落ちてきます。

 高層ビルを建てた頃は、みんな長周期地震動がどれだけ怖いのかを知らなかった。それが知られるようになったのは、つい最近のことですからね」

 一方、元土木学会会長の濱田政則・早稲田大学理工学部教授が危険性を指摘するのは、東日本大震災の際、千葉県浦安市の住宅街で家々を傾かせ、大きく報じられた液状化現象だ。

「南海トラフで大地震が起これば、首都圏でも東日本大震災以上の液状化現象が起こる可能性があります。

 名古屋でも伊勢湾などで経産省が調査を開始しましたが、東日本大震災よりも震源が近く、何倍も揺れるわけですから、被害はさらに大きくなるでしょう。

 もし、伊勢湾のコンビナートで液状化が起こり、タンクが倒壊して内容物が流れだし、火が移れば大変な事態になる」

 東日本大震災ではコスモ石油の千葉製油所でタンクが爆発・炎上。タンクの破片が4km離れた場所まで飛散するほどの威力だった。

「国は40億円をかけて全国で調査をしており、来年3月には結果が出るでしょう。護岸の補強など、実際に対策が取られ始めるのは再来年くらいからです。

 遅いと思われるかもしれないが、調査にも時間がかかる。地震が来るまでに20~30年の時間があるという前提で進めているのが現状です。この1~2年で起こったりしたら、それは間に合わない」(前出・早稲田大学濱田教授)

 こうして膨大な数の命を奪う大災害だが、実は、その恐怖は南海トラフ大地震が招く地獄の、ほんの入り口に過ぎない。幸いにして大地震を生きのびたとしても、私たちは220・3兆円という途方もない額の経済的損失に苦しめられる。

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