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信じる者は救われる 南海トラフ大地震は 本当に来るよ
週刊現代 プロフィール

「日本だけを見ていても分からないのですが、どうも南海トラフを含む日本の近海で大陸側の地殻の下に潜り込んでいるプレートの動きが、朝鮮半島や中国にまで影響しているらしい。すでに何らかの変化が始まっている可能性は否定できないと思います」(前出・立命館大学高橋教授)

南海トラフの大地震前には西日本の内陸で地震が起こってきた

 左の地図のように、南海トラフ大地震では、東海地方から四国・九州にかけて約1000kmの震源域が広がる。最大で震度7の揺れが町を襲い、場所によっては数分で30mを超える津波がやってくる。

 大都市の名古屋や静岡、さらには大阪でも建物が倒壊して火災が発生、さらに津波が押し寄せて甚大な被害を与えるのだ。政府想定による死者は32万人、経済的な損失額は220・3兆円に達するとされる。

 だが、それでもまだ実感が湧かないという人も多いだろう。たしかに、この数字はあまりに膨大だ。あの東日本大震災でさえ、死者・行方不明者は1万8559人。経済的損失は16・9兆円とされており、南海トラフ大地震の被害想定はその約13倍の規模になる。

 さらに、首都圏在住の読者のなかには、具体的な被害のイメージがつかめず、自分たちには関係ない災害と思ってしまう人もいるかもしれない。

高層ビルから人が降る

 しかし、この巨大地震の恐怖は、首都圏にも襲いかかってくるのだ。

 政府の想定では東京湾の最奥部にある東京都の沿岸でも、最大で3mの津波がやってくるとされている。太平洋に面した千葉県では最大11m、神奈川県では最大10mだ。

 津波は川や濠をさかのぼり、小さな排水路や護岸の崩れ目からも侵入する。東京の下町、江東区や墨田区に広がる海抜ゼロメートル地帯(標高が満潮時の平均海面高より低い土地)でひとたび大規模な浸水が起これば、水をポンプなどでくみ出さない限り、町は水浸しのままとなる。

 こうした地域にある地下鉄では現在、浸水対策が進められているが、万が一、東京メトロ東西線東陽町駅や南砂町駅、都営新宿線東大島駅などで地上の換気口や通信・送電線を通す穴(洞道)などから浸水が起きれば、地下鉄のトンネルを通ってさらに広範囲に水が流れ込む恐れもある。

 ましてや特殊な対策の施されていないビルの地下や地下街などは大量の水が流れ込み、水没して多数の死者が出る可能性もあるのだ。