この著者に聞け
2012年09月26日(水)

「立場主義者」にはどう立ち向かうべきか ~『もう「東大話法」にはだまされない』著者:安冨歩(東京大学東洋文化研究所教授)

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---『原発危機と「東大話法」』、『幻影からの脱出』に続く、「東大話法」シリーズ第三弾となる『もう「東大話法」にはだまされない 「立場主義」エリートの欺瞞を見抜く』(講談社+α新書)が刊行されました。

著者の安冨歩さん

 「東大話法」というのは東大出身者のみならず、日本の官公庁や企業体などで偉そうにしている人が使う話法です。東大という権威に寄りかかり、受験勉強で鍛えた高速事務処理能力で、なんだかよくわからないうちに自分の都合のいい方向に話をもっていこうとして、すぐ謝ったり公平さを装いながらも、じつはまったく誠意がない。これが「東大話法」の真骨頂です。

 そういう組織の中で威張っている人が、もちろんすべて東大出身というわけではありませんが、肩書きを有難がっているという意味では、最難関校である東大の信奉者であることは間違いありません。これまでの2冊に比べて今回は、新書版ということで、よりわかりやすく、読者に東大話法を身近に感じていただけるように、原発問題だけでなく、ビジネス現場や夫婦関係などでケーススタディした内容になっています。

---昼間、働いているときに「東大話法」にどっぷりはまっている人は、家庭の中でも「東大話法」を使いたがるという指摘は斬新でした。

 原発事故でメディアに登場してきた御用学者たちは、口癖のように「我が国は」と言います。「我が国」という言葉を使うことで、事故を起こしたのは「我」ではなく「我が国」だから我関せず、まるで傍観者のようにヌケヌケと「原発は安全(なはず)だ」と言い続けることができるのです。

 日本の企業では、横領などの個人的な犯罪は厳しく処罰されますが、見込み違いの過剰投資や明らかにムダな新規事業など企業ぐるみで行った失策は、まず間違いなく責任の所在があやふやにされます。"みんなでやった失敗"ということにして、悪事を微分化することで、責任と罪悪感を分散するのです。

次ページ  こうした悪事の微分化に手を染…
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