3年で富士山 は噴火する そのときに備えたほうがいい

2012年09月01日(土) 週刊現代

週刊現代経済の死角

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原発事故の悪夢が再び

 ここで、もうひとつの大きな懸念について論じておきたい。はたして原発は大丈夫なのか—。

 富士山にもっとも近い原発は、御前崎市にある浜岡原発で、その距離は約90km。溶岩がここまで迫ってくることは考えられないが、「風向き次第では御前崎まで火山灰が降ることはあるかもしれない」(前出・津久井教授)という。

 前述の通り、火山灰が積もればその地域に正常な送電ができなくなる。旧日本原子力研究所の出身で、技術評論家の桜井淳氏は「原発に外部からの電気を供給できなくなる、つまり原発が電源を喪失する恐れがある」と指摘する。

「現在、浜岡原発は停止中ですが、各号機の炉心には、まだ800体近い燃料棒が残っているし、原子炉建屋の最上階には使用済み核燃料の貯蔵プールがある。これらは運転を停止した後もポンプを動かし、冷却を続けなければなりません」

 ポンプを動かすための電気は通常、外部から供給されている。停電によって外部電源の供給が止まれば、冷却も止まってしまうことになる。

「原発には内部電源として非常用ディーゼル発電機が用意されていますが、これが正常に作動しないような事態となれば、燃料を冷やせなくなる。最悪の場合メルトダウンを起こす恐れもあります」

 さらに、もし浜岡原発周辺に火山灰が積もるような事態になると「交通障害によって浜岡原発の運転・管理をする要員が現場に向かえなくなる事態も考えられ、危機的な状況が続くことになる」と桜井氏は指摘する。

 あくまでもこれは「悪い条件」が重なったときに起こる最悪の事態の話だ。しかし、想定外のことが起こることは、福島第一原発事故で証明されている。

「そもそも、原発は津波と地震の対策こそ取っていますが、火山の噴火による影響は想定していません。富士山だけでなく、日本には多くの火山があるにもかかわらず、です」(桜井氏)

 未曾有の被害をもたらす富士山の噴火。何の備えもない状態で発生すれば、日本中がパニックに陥るのは間違いない。

 被害を軽減するために、少しでも早く噴火の時期を予測することはできないのか。

 噴火を正確に予測する技術は、十全とは言い難い。だが地震予知と比べれば、富士山噴火はまだ予知できる可能性がある。現在富士山はGPS、地震計、傾斜計、空振計などによって、24時間体制で監視されている。データに異常があればすぐに対応できる態勢で、「これだけの監視網があれば噴火の数日から数週間前には予測できるのではないか」(前出・津久井教授)と、予知に期待する声もある。

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