地震予知の第一人者・長尾年恭東海大学教授 「首都圏直下型M8」「東海地震M9」はまもなく来るものと覚悟してください

2012年01月18日(水) 週刊現代

週刊現代経済の死角

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 首都直下型地震がいつ来るのか、私の個人的なフィーリングでは、少なくとも10年以内に起きる可能性が高いと思います。地震により首都機能がマヒした場合、経済に与える打撃は凄まじいものになるでしょうから、日本が耐えられるか大変憂慮しています」

 首都圏では他に、小田原付近において、およそ70年周期で地震が起きていることも、古文書などで確認されているという。1923年の関東大震災を考えると、それからすでに90年近くが経過している。そういう意味でも、首都圏及び関東近郊での直下型地震の可能性は、非常に高いといわざるを得ない。

 一方、3・11で壊滅的な被害を受けてしまった東北地方だが、一度の大地震で危機が去ったわけではなく、今後も強い警戒が必要だと長尾氏は警告する。

「日本列島から300~400kmの沖合で発生する、『アウターライズ地震』による津波の再襲来に備えなければなりません。これも10年スパンで考えれば、『100%起きる』と考えるべき地震です」

100%の確率

 東日本大震災では、日本海溝と東北地方の間の場所が震源域となった。東から押し寄せる太平洋プレートが、日本海溝の底で西側の北米プレートに潜り込んでいるため、押し込まれている側=北米プレートに近いほう(東北地方)で、断層の破壊が起きたのだ。

 ところが、3・11の巨大地震のエネルギーはM9とあまりに巨大だったので、日本海溝を挟んだ反対側の場所(太平洋プレート側)にも歪みのエネルギーが蓄積されている。このエネルギーが解放された時におきるのが「アウターライズ地震」と呼ばれるものだ。

「この地震はM8クラスですが、震源域が沖合のため揺れによる被害はほとんど出ません。しかし、東北地方には10m級の津波が押し寄せる危険性があります。米国は、このアウターライズ地震の発生を非常に危惧しています。津波の再襲来で福島第一原発4号機の燃料保管プールが崩壊したら、太平洋全域が壊滅的な打撃を受けてしまう。だから米国政府は、日本政府に福島第一の補強補修工事を早急に進めるよう、強く要請しているのです」
房総沖に青森沖、アウターライズ地震に、首都直下型地震。これらの地震が近い将来起きる可能性は、残念ながら極めて高い。

 繰り返すが、M9の超巨大地震がいったん起きてしまった以上、そのとてつもないエネルギーは、確実に日本列島周辺の地殻や断層に、大きなストレスとなって残ったままだからだ。純粋に物理学の観点からしても、不自然に溜められた歪みのエネルギーは、そのうち必ず解放され、大地震が発生することになる。

 長尾氏はさらに、こう指摘する。

「もうひとつ、3・11により発生が早まったと考えなければならないのが、東海地震です。今度の東海地震は非常に大きなものになると思います。その規模はM9~9・5に達するとも言われています。過去の超巨大東海地震の記録を調べると、ほぼ2000年周期で起きているのですが、現在は、前回の地震から約2000年なのです。これも私の個人的見解ですが、10~20年以内には起きる可能性があると見なければなりません」

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