Y Combinatorが認めたスタートアップ「Air BnB」が提示した「旅」の新たな形とは?

 「あなたは旅をしていて孤独を感じたことはありますか?」

 自分の住み慣れた場所から飛び出る旅、どんなに些細でもその過程で出会った人々、訪れた場所の全てが旅の「体験(エクスペリエンス)」の一部に含まれています。そして非日常的な環境にいるからこそ、そこにはドラマや感動的な瞬間があり、訪れる場所によってはなかなか現地の人と出会えず、孤独を感じる瞬間もあるのではないでしょうか。

 ニューヨークやロンドン、パリ等の都市を訪れた際や、外国人が東京を訪れた際、地元に住む人々と出会う機会は「意外と少ない」と思います。このポイントに問題意識を抱いたAirBnB(エアビーアンドビー)は、旅人が世界中のどこを訪れても、現地の人々と繋がり、安心することを可能にしたユニークなウェブサービスです。

旅行者、家のオーナー双方に利益のあるサービス作り

 AirBnBは、ウェブを通して部屋を貸したい人と、宿泊したい旅行者を結びつけるサービスです。使い方は非常にシンプル。空いている部屋や家にスペースがある人は、AirBnB上に物件の写真、住所、そして一晩あたりの宿泊費用を掲示します。

 そしてAirBnB上で自分の条件に合致する宿泊先を発見した旅行者は、その宿を予約し、初対面の方の家に宿泊することが出来ます。基本は個人間の自由契約となっていて、宿泊者にも家のオーナーにもメリットが多く用意されています。

AirBnBサイトのスクリーンショット

 宿泊者にとっては、宿泊代が安く住むだけではなく、その家に住む人々との交流や、地元のお宝情報も得ることが出来ます。

 そして、オーナーにとっては今まで空き部屋だった空間から収入を得るだけでなく、全く異なる国、文化で暮らしてきた旅行者の人生とも出会うことが出来るのです。

 また、双方の体験が最高のものとなるように、サイト作りも気が利いています。

 宿泊先の検索画面では、ただ単に宿泊場所や宿泊日程だけでなく、Wifiがあるか否か、禁煙か否か、オーナーが何語を話せるのか? 等々についてもわかりますし、オーナー側も宿泊者のプロファイル情報次第では(プロファイル写真がない等々)、宿泊を断ることも出来ます。

 もちろん宿泊先へのレビューも存在し、各宿泊者はホテルでは味わえなかった非常にパーソナルな体験をシェアし合っています。「安くて、安全で、感動的」、そんな三拍子をAirBnBは実現したのです。

閃きは一瞬にして訪れた

 そしてその誕生秘話にもスタートアップの醍醐味が感じられます。2007年10月、サンフランシスコにて全米からデザイナーが集まる大きなイベントが開催されました。当時サンフランシスコ在住だった共同創業者の2人は、イベント地周辺のホテルが一瞬で埋まったことに驚いたそうです。

 「宿泊先がなくてイベントに参加できないなんてもったいない!自分達は空き部屋があったし、エアベッドもあった。だから遠方から来る参加者をせっかくだから家に招こうと思ったんだよ」そう共同創業者のBrian Chesky氏は語っています。