原子炉メーカー、プラント企業、ゼネコン……。膨大な数の原発企業の社員が霞が関で働いていた。勤務先は原発推進部署から規制部署にまで及ぶ。原子力村の馴れ合いは、想像以上に深く広かった。
規制する側とされる側が同居
(註)吉井英勝・共産党議員が入手した資料をもとに作成(次ページ表も同様)。なお※1の社員は「関西電力→財団法人・電力中央研究所→内閣府」という形で採用。※2は'09年4月1日~'11年4月18日までの間に採用した職員の実績。※3は'08年8月15日までの在籍者を調査している拡大画像表示
ある東京電力の元取締役は、数年前に政府の諮問機関で委員を務めたとき、会議のたびに姿を現す〝内閣官房の職員〟の仕事ぶりに感心したという。説明にそつがない、資料もよくできている。注文をすれば、すぐに要求に応える。そこで「日本の官僚も捨てたもんじゃない」と思って声をかけると—。
「彼は『私は官僚ではなく、東電の社員です』と言ってきた。内閣官房に出向して働いていたんです。非常勤なので採用期間が切れて会社に戻るときは、官僚から『帰らないで』と泣きつかれたそうだ」(東電元取締役)
本誌は先週号で、霞が関に出向して「覆面公務員」として働く東電社員の実態をレポートし、大反響を呼んだ。
「官民癒着」が疑われるズブズブの関係。公にならないように法律の特例を利用して採用した上、受け入れ先は原子力行政の「中枢」と言われる原子力委員会や文部科学省の研究開発局など「原発関連部署」ばかり。原発の規制機関である原子力安全委員会(原全委)で働く東電社員もおり、規制される側と規制する側が机を並べる異常な姿が常態化していた。
ただ、原発企業と霞が関との関係はそれだけにとどまらない。今回、新たな内部リストを入手すると、東電以外にも原発大手企業社員が多数「公務員」として働いていることがわかった。
原子力委員会、原全委、文部科学省の原子力開発部門にはもちろん、原発の安全の「お目付け役」である経済産業省の原子力安全・保安院(保安院)にも採用されている。
メンツも錚々たるもの。電力会社である関西電力や日本原子力発電から東芝、三菱重工、日立製作所などの日本を代表する大手メーカーがズラリ。保安院には'01年の創設以降累計で80人超が雇われており、東芝、IHIなどの原子炉メーカーや原発プラントメーカーから、鹿島、大成建設といった原発関連の受注実績がある大手ゼネコンが並ぶ。
原子力委員会の委員を9年間務めた経験のあるジャーナリストの木元教子氏が言う。
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