驚愕の深層レポート 新たなる公安組織< Ⅰ・S >の全貌 前編
「政界情報」「対メディア情報」を掻き集め始めた
諜報機関の危険性   青木理(ジャーナリスト)
2010年夏の参院選で声をからす菅直人首相(左)。有力政治家の動向は特に、新たなる諜報部隊に蓄積される。 〔PHOTO〕鬼怒川 毅

 『日本の公安警察』の著者が辿り着いた、誰も触れたことのない「世論誘導装置」

 日本最強の諜報機関はどこか。その議論が起こるたびに最有力候補として名前が挙がる公安警察。その深奥で、新たなる諜報部隊が胎動していたことに誰も気づいていなかった―。

[取材・文:青木理(ジャーナリスト)]

 公安警察とは、実に隠微な組織である。世界が東西冷戦構造に支配され、日本国内でも左派勢力が一定の力を持っていた時代、日本の公安警察は「治安維持」と「防共」を最大眼目として組織を極度に肥大化させ、内部には巨大な秘密組織まで育て上げた。

 にもかかわらず、公安警察の組織と活動は厚い秘密のベールに覆われ、実態が外部に伝わることなどほとんどなかった。'91年のソ連解体によって冷戦構造が崩壊し、国内の左派勢力が衰退しても、それは変わらない。公安警察は一部組織の縮小・再編を余儀なくされたものの、内部の秘密組織は今なお強固に維持し、密やかな活動を続けている。

公安警察の中枢である警察庁警備局。その筆頭課である警備企画課には、課長の下に二人の「理事官」と呼ばれる幹部が配置されている。一人の理事官は「オモテ」、もう一人の理事官は「ウラ」の担当と位置づけられ、「ウラ」の理事官は日本の公安警察において最大の極秘組織のキャップを務める。

 その組織に冠された< チヨダ >という名を耳にしたことのある人もいるだろう。私も著書『日本の公安警察』でその存在を明らかにした。