菅直人首相は、まともな人間としての良心をもっているのだろうか。8月3日の衆議院予算委員会の平沢勝栄衆議院議員と菅首相のやりとりに関する以下の報道を読んでそう思った。
<低姿勢を続けていた菅直人首相が3日の衆院予算委員会で久々に「イラ菅」ぶりを発揮する場面があった。
まずは平沢勝栄氏(自民)。首相が国旗・国歌法案に反対票を投じたことを念頭に平沢氏が「2002年のラジオ番組で首相は『君が代を歌いたくない』と言った」と指摘すると、首相は席に着いたまま、「証拠を出してください」と大声をあげた。
平沢氏が「みんなから聞いている」と畳み掛けると、首相は「こういう場で、そこまで言うなら、誰がどういう根拠で言ったか、そのテープでもいいからちゃんと出してください」と反撃した。>(8月3日asahi.com)
菅首相よ!それならば筆者が証拠を出そう。きちんとした物証だ。
菅首相が君が代を歌わなかった問題について、「誰がどういう根拠で言ったか」というイラ菅の大声に対する筆者の回答は次の通りだ。作家で元外務省主任分析官の佐藤優が、2010年6月5日付「SANKEI EXPRESS」紙にこう書いた。重要な事柄なので、あえて全文を正確に引用しておく。
<6月4日の民主党両院議員総会で、菅直人副総理が民主党代表に選出された。これで来週初め、菅氏が日本国内閣総理大臣に就任する。社交辞令で「おめでとうございます」と言いたいところだが、そういうわけにはいかない。筆者には、菅総理の誕生に関して、どうしてもひっかかる点があるからだ。それは、「君が代」をめぐる問題だ。
■君が代を歌わない
ミッキー安川さんは、RFラジオ日本で人気番組を何本かもっていた。そのうち深夜に放送される「朝まで勝負」では、深夜0時の時報が鳴るとともに、ミッキーさん、スタッフとゲストが全員立ち上がり「君が代」を斉唱する。この番組に筆者が初めて出たとき、ミッキーさんがこう言った。
「あんたクリスチャンだよな。俺の番組では『君が代』を歌うけれど、問題ないよな」
「問題?」
「いや、歌いたくないならば、無理しなくていいから。ただ起立だけはしてほしいんだ」
「ミッキーさん、僕は日本のキリスト教徒ですよ。『君が代』を歌うのは当たり前じゃないですか。キリスト教徒だからこそ、目に見えないものに対する畏敬の念をもっています。天皇様の弥栄をお祈りするのは、当たり前じゃないですか」
それを聞いて、ミッキーさんはにっこり笑った。そして、こう言った。
「政治家でも『君が代』を歌わない人がいるんだよ」
「誰ですか」
「例えば、菅直人さんだ。この番組のゲストで来てもらったんだけど、『君が代』は歌いたくないと言うんだ。俺は、それはわかったから、俺たちが『君が代』を歌う間は、立っていてくれと頼んだ」
「それでどうなりましたか」
「ちゃんと立ってたよ。ただ、俺は菅さんの態度は立派だと思うんだ。自分の信念で『君が代』を歌いたくないと思うならば、歌わないというのは、周囲の雰囲気に合わせて、ほんとうは歌いたくないと思っているのに、義理で歌うよりは政治家としてずっと誠実だよ」
ミッキーさんは、寛容と多元性を尊重する日本の保守思想を体現した人だった。それだから、菅直人氏の「筋の通し方」を尊重し、かつ評価したのだ。
内閣総理大臣は日本国家を政治的に体現する。菅氏も総理として「君が代」を唱うことになると思う。それは、「君が代」が国歌であると法律に定められているからだ。しかし、菅氏の世界観において、「君が代」はどういう位置を占めているのだろうか?
■日本国家の本質
日本国家の根本は祭祀共同体である。目に見える制度や法律ではなく、目に見えない高天原の神々によって、日本は支えられている。南北朝時代の南朝の忠臣・北畠親房は、わが国の本質について、「大日本者神国也(おおやまとはかみのくになり)」と述べた。当時、京都には軍事官僚(足利尊氏一派)による北朝がたてられていた。これに対して、親房、そして「悪党」と呼ばれた楠木正成たちは、奈良の吉野に逃れた後醍醐(ごだいご)天皇による南朝を命がけで支えた。
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