アメリカでの外務省にあたる、国務省の政策企画本部スタッフ、ジャレッド・コーエン氏は現在28歳。
コーエン氏のツイッターアカウント(@jaredcohen)は、オバマ大統領、マケイン上院議員に続き、アメリカ政府内で3番目に数が多いことで知られています。2010年7月12日付の「ニューヨーク・タイムズ・マガジン」に掲載された特集記事「デジタル・ディプロマシー」には、この若者がソーシャルメディアツールを最大限に活用することで、如何に従来の意味での「外交」を覆しているか、余すところなく伝えています。
彼の名前が後に注目を集めることになった出来事として、2009年6月に行われたイラン大統領選直後の、思いがけない行動が知られています。言論統制の厳しい当時のイランでは、選挙の不正を訴える市民が、ツイッターを使って抗議の声を世界に発信していた頃です。
コーエン氏は選挙終了から3日後、友人であり、ツイッター社の共同創業者(ジャック・ドーシー氏)に電子メールを送り、予定されていたサービスのメンテナンスを遅らせ、イラン時間の日中に、大切なコミュニケーションのチャンネルが断絶されないよう、依頼をしたのです。
ツイッター社はメンテナンスの時間を遅らせ、結果、イラン市民の海外とのコミュニケーション手段を守ろうとしたこの小さな行為は、CNNが選ぶ、「インターネット業界10年の10の瞬間」に選ばれることになりました。
2010年1月12日、ハイチでの大震災が起こった際の対応も新しい時代の外交を印象付けるのに十分な出来事でした。地震発生から2時間後にはコーエン氏らを中心とする国務省チームが、携帯電話上の簡易寄付プラットフォームを提供しているNPO(モバイル・アコード)との連絡を取り付け、赤十字への寄付を募るキャンペーンを実施することが、その日のうちに決まりました。
クレジットカードを使わなくても携帯電話からショートメッセージで「#90999」をダイヤルするだけで10ドルの寄付が電話料金とともに請求される、というしくみです。結果、その日だけで230万ドルの寄付が集まりました。 その後、2日目には500万ドルが、最終的には4000万ドルの寄付を集めることに成功しました。
キャプション:ジャレット・コーエン氏のツイッターアカウントは@jaredcohenコーエン氏はスタンフォード大学とオックスフォード大学で国際関係論を専攻、卒論で取り上げたルワンダの虐殺問題、頻繁に訪れた中東地域の体験記は後にそれぞれ書籍として出版もされました。
22歳で後にブッシュ政権で国務長官となるコンドリーザ・ライス氏に見染められ、24歳には国務省に入省しました。
政権が変わった後もクリントン国務長官の元、テロリズム対策、中東、アフリカ、アジア、イノベーション、青少年対策の専門家として、積極的にソーシャルメディアツールの利活用を、国務省内外に対して推進する活動を行っています。
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