情報を隠蔽、兵站を軽視し、責任は側近に
官邸の原発事故対応は大本営と同じ
菅首相は「戦時宰相論」を熟読せよ

菅内閣の対応を見ていると、日本を破滅に導いた大日本帝国陸軍に酷似している〔PHOTO〕gettyimages

 6月17日に開かれた参議院東日本震災復興特別委員会で、菅首相に質問する機会を得た。しかし、小会派の悲しさ、わずか10分しか時間がない上に、菅首相は役人の書いた答弁書を長々と朗読して時間を費やしてしまった。せめて30分の時間があれば、もっと論点を明確にできたであろう。そこで、私が言いたかったことを以下に詳説する。

 3月11日の大震災からすでに100日が経った。この間の菅内閣の対応を見ていると、日本を破滅に導いた大日本帝国陸軍に酷似している。このままでは、日本、そして日本民族が滅ぶ。

自費で10万円を払って増血幹細胞を事前採取する原発作業員

 私は、4月25日の参議院予算委員会で、原発作業員の健康管理を徹底すべきことを菅首相に要請した。とりわけ、自己の造血幹細胞の事前採取・冷凍保存を求めたが、菅首相は、その必要はないと、「専門家の見解」を引用して拒絶した。

 しかし、この間、国際学会でもこの手法を勧めるなどの動きがあり、先日は、一人の作業員が自費で10万円を払って、造血幹細胞を事前採取している。

 今回の質問で、この問題について、4月25日以降の政府の対応をただしたが、全く何もやっていないし、またやる気もないという。菅首相は、原発作業員を戦争中の特攻隊と同様に扱っている。祖国のために命を捨てろというだけで、何の支援もしない。

兵站を軽視した結果、ガダルカナルでは輸送船が次々沈められ、日本兵は飢餓状態での闘いを余儀なくされた   【PHOTO】Getty Images

 サイパンやガダルカナルで、十分な食料や燃料や武器弾薬もなく戦わされた日本軍兵士と、ビフテキを食べて潤沢な武器弾薬で戦闘に従事したアメリカ軍兵士を比較してみればよい。大和魂、精神力だけでは勝てない。兵站が重要なのである。

  大日本帝国陸軍は兵站を軽視した。だから敗北したのである。今でも、多くの日本の組織がこの兵站の重要性を理解していない。その典型が菅内閣である。これでは、震災、原発事故と戦えない。

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