『英大手携帯電話会社も後押し、世界で広がりを見せる「マイクロ・ボランティアリズム」の潮流』
英大手モバイル通信ブランド「オレンジ」による「ドゥー・サム・グッド」プロジェクトのホームページ

 約一年前の2010年7月14日、「通勤電車の中で社会貢献ができる「マイクロ・ボランティアリズム」という潮流」というタイトルで記事を書かせて頂きました。

 5分、10分という細切れの時間を、インターネットやスマートフォンを活用することで多くの人の参加が可能となる、新しいボランティアの形態に関するレポートでした。

 記事の中でご紹介したサンフランシスコに拠点を持つエクストラオーディナリーズ社(現在はサイトの名称を「Sparked」に変更)は、その後も成長を続け、今では約3,000のNPOと30万人以上のボランティアをつなぐマイクロ・ボランティア・プラットフォームとして広く活用されています。

 世界での携帯電話、スマートフォンの普及がますます進み、社会的課題も増加、多様化する中で、イギリスでこの春、大手携帯電話会社が本格的なマイクロ・ボランティア・プロジェクトをスタートさせました。大企業の本格参入とう点において非常に興味深い事例でもあり、その背景、概要について簡単にレポートしたいと思います。

英大手モバイル通信ブランド「オレンジ」による「ドゥー・サム・グッド(Do Some Good)」プロジェクトとは?

 「オレンジ」とは、フランステレコムの子会社で、英国内ではシェア第3位、1700万人を超えるユーザーを持つ、大手モバイル・ブランドです(2010年5月、シェア4位のT-Mobile UKとの合併によりイギリス最大の持ち株会社「Everything Everywhere」が生まれたものの、ブランドとしては現在もそのまま運営)。

 オレンジUKの取り組みとして今年の3月末にスタートした「ドゥー・サム・グッド(Do Some Good)」プロジェクトとは、スマートフォンの無料アプリケーションを利用することで、12のチャリティ団体が提供するボランティアのタスクに対し、モバイル・ユーザーに取り組んでもらう、というものです(現在はiPhoneとブラックベリーのみ対応)。

 それぞれのタスクは基本5分程度で完了出来るものが設定されていて、簡単なアンケートに答えたり、写真を取ってレポートしたり、簡単なパラグラフを翻訳するというようなものが中心です。いくつか具体的なタスクを見てみましょう。

 【マイクロ・ボランティアのタスク例】
・子供たちを遊ばせるのに適した公園の情報を写真とともにレポートする。
・途上国向けの技術支援のための細切れにされた「ノウハウ」情報の翻訳をする。
・食事したレストランが環境やサステイナビリティに配慮しているかどうかをアンケートとして回答する。
・チャリティ団体がサイトや制作物作成に利用できるよう、オンライン画像ライブラリーに撮った写真を寄付する。
・緑が溢れた場所、或は荒廃していて植樹すべき場所を写真と位置情報を添えてレポートする。

 これらのアイディアは昨年8月に立ち上げられた準備サイト(http://www.mobilevolunteering.co.uk/)を通じ、ユーザー、NPO、そしてウェブの開発者からアイディアを募った結果、上位に選ばれたものです。今後も参加NPOは増えていく予定です。

 オレンジUKは以前から社会貢献的なマーケティングキャンペーンを行うことで知られている会社で、その中でも2007年から毎年実施されている 「オレンジ・ロックコア(Orange RockCorps)」というプログラムは代表的なものとして知られています。4時間のボランティア活動に従事することで、米人気歌手レイディ・ガガ等著名ミュージシャンも参加するロックコンサートに招待する、というものです。マイクロ・ボランティアのプロジェクトが突然生まれたのではなく、こうした積み重ねがあることも注目に値します。

 「Do Some Good」プロジェクトはまだ始まったばかりではありますが、開始から2ヵ月程で1万5千のアクションが実行され、合計約1000時間分の時間がボランティアとして費やされた、と特設ページのブログにレポートされています

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