世界経済
ギリシャは借金を返せない="ユーロ売り・スイスフラン買い"
ギリシャを巡る問題は解決の方向に進むどころか、むしろ泥沼に向かいつつあるようだ〔PHOTO〕gettyimages

 昨年5月、ギリシャの財政危機が表面化してから、既に1年以上の時が過ぎた。しかし、ギリシャを巡る問題は解決の方向に進むどころか、むしろ泥沼に向かいつつあるようだ。ギリシャの現在の経済力から考えて、自国のGDPを超える借金を返済することが出来ない。それは、だれの目にも明らかだ。問題は、その痛み=損失をだれが、どのように負担するかだ。

 最終的には、ドイツやフランスなどのEU諸国が中心となって、ギリシャを救済することになるとみられる。しかし、今のところ、EU諸国の国内世論の反対もあり、短期間で救済策をまとまるのは難しいかもしれない。そうした状況を反映して、足許の為替市場では、ユーロが売られ、安全通貨であるスイスフランが買われている。

ギリシャの危機はギリシャだけの問題ではない

 GDPの規模がわずか30兆円程度のギリシャの問題が、これほどまでに世界の金融市場に影響を与えているのだろうか。それは、現在のギリシャに関する危機的な状況は、ギリシャだけの問題ではないからだ。

 二つのことを頭に入れておくと分り易い。一つは、ギリシャの国債の多くを、ドイツやフランスの金融機関が保有していることだ。もしギリシャの国債の償還が出来ない状態=デフォルトになると、同国の国債を保有している投資家には多額の損失が発生する。その場合、ドイツやフランスの金融機関は、多額の損失の計上を余儀なくされる。

 問題は、それが現実になった時、金融機関がその損失に耐えられるか否かだ。仮に、金融機関がその損失に耐えられるだけの体力がなく経営状況が悪化すると、「金融機関が破たんするのではないか」という信用不安が発生する。それは、経済全体に大きな痛手を与えることは避けられない。

 また、金融機関の信用状態に問題が出ると、株式や為替などの金融市場が不安定になる。最悪のケースでは、世界的に金融システム不安が起きることも懸念される。金融システム不安の恐ろしさは、2008年9月15日のリーマンショックを思い返すまでもなく、経済全体を崖から突き落とすように冷え込ませるマグニチュードを持っている。

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