キングメーカー・仙谷、何様のつもり?
別名・永田町の妖怪人間 国民をなめんなよ!

覚悟の「か」の字もない政治屋たち
オレの代わりに野田に総理をさせる
〔PHOTO〕gettyimages

 国民は呆れている。「そんなことをしている場合か」と。それでも永田町の椅子取りゲームは延々と続く。政治屋にとって、国家の危機は〝火事場泥棒〟で権力を握る絶好の機会と映っているらしい。

「仙原幸彦」の〝仙〟はオレだ

「ポスト菅の候補のことを、〝仙原幸彦〟って言うらしいな。それで〝仙〟というのは、オレのことだよ」

 仙谷由人内閣官房副長官は、ニヤリと笑う。

 永田町では、菅直人首相の辞任へのカウントダウンが始まった。内閣不信任決議案をなんとか否決に持ち込んだとはいえ、政権の命運はもはや尽きている。

 政局が流動化する中、急速に存在感を増してきたのが、策士・仙谷氏である。仙谷氏が自ら語った〝仙原幸彦〟とは、「仙谷由人」「前原誠司(前外相)」「枝野幸男(官房長官)」「野田佳彦(財務相)」の4人のことを指している。

 参院で問責決議を受け、今年1月に官房長官を辞任していた仙谷氏だったが、3月11日の大震災発生後、官房副長官として官邸に復帰。それ以来、かつて首相を差し置いて「官邸の主」と言われた辣腕を発揮し、急速に官邸内での発言力を増してきた。

 最近、仙谷氏は番記者たちにも愛想がいい。何より、強気だ。6月7日、仙谷氏が打ち出した党のマニフェスト変更に対し、小沢一郎元代表が異を唱えていることを記者から指摘されると、こう言い放った。

「だったら、党を出て行けばいいんだよ。嫌なら、党を辞めればいい」

 仙谷氏は現在、ポスト菅の候補を自分の影響下にある議員から選抜すべく、文字通り〝暗躍〟している。同時に、菅首相が失敗した自民党・公明党との「大連立」に向け、水面下での交渉をせっせと進めている。

「仙谷氏の狙いは、菅首相を引きずり下ろして自民党と連立するついでに、宿敵の小沢一郎元代表を葬り去ってしまえ、というものです。小沢アレルギーが強い自民党のカウンターパート・大島理森副総裁も乗り気で、二人の間でシナリオ作りが進められている」(民主党中堅代議士)

 仙谷氏は精力的に動き回る。6月6日朝には、民主党の石井一副代表と都内ホテルで約90分間にわたって意見交換。その後は菅首相、輿石東参院議員会長、樽床伸二元国対委員長、亀井静香国民新党代表らと次々に会談した。

「あんたは、どうするつもりなんだ? 菅の後に、リリーフで登板するつもりはないのか?」

 そう問う石井氏に、仙谷氏は「いや、いや」と手を振りながら、

「またバカなことをおっしゃる。そんなことしたら、小沢グループが黙っちゃいませんよ。マスコミも騒ぎだすし、誰からも歓迎されませんわな」

 と、謙遜した。仙谷氏の狙いはあくまで、「キングメーカー」として菅、鳩山、そして小沢なき後の民主党に君臨することなのだ。

 別の民主党中堅代議士がこう語る。

「仙谷氏にしてみれば、べつに自分が総理にならなくても、主導権を握ってレールを敷いてしまえば、次期首相は完全にコントロールできる。本心では、党のカネと選挙の公認権を一手に握る幹事長狙いと言われます。仙谷氏が、自分の代わりに〝リリーフ〟させようとしているのは、野田佳彦財務相と目されています」

 本来、仙谷氏の本命は、秘蔵っ子の前原誠司前外相だ。震災前には、前原氏を伴って自民党の石破茂政調会長や小池百合子総務会長と密会し、「小沢抜き、前原政権での連立」の下準備をしていた。

 しかし、前原氏は震災の直前、外国人献金問題で失脚してしまう。その後に大震災や原発事故が発生してしまい、仙谷氏の目算は大きく狂っていた。

「いまでも本命が前原氏だというのは変わりません。ただ、ポスト菅の総理大臣は、長くても来年9月の民主党代表選までの短命政権になるのが決まっている。また、前原首相、仙谷幹事長では同じグループ(凌雲会)がポストを独占することになり、党内融和という意味で好ましくない。その点、野田氏(花斉会)なら捨て石としてうってつけなのです」(同)

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