名ばかりの高速道路無料化!!
サブ 2012年度までの段階的実施の公約先送り!

 6月18日、前原国土交通大臣は、高速道路料金の無料化に関して、2012年度までに段階的な実施方針の先送りを示唆する発言をした。そのわずか3日前の15日、「平成22年度高速道路無料化社会実験」の実施を正式に発表している。

 いろいろ問題は抱えながらも、いよいよ高速道路の通行料全面無料化に向かって第一歩が切られる、そう願っていたドライバーの気持ちはまた踏みにじられたことになる。

 昨年夏、高速道路料金眼速無料化の原則無料化をマニフェストに掲げ政権の座に就いた民主党だが、高速料金を巡っては上限2000円とする案を発表しながら、身内の造反にあって取り下げるなどドタバタ続き。この先どうなるのか、不安を抱えた船出となった。

距離にして2割、交通量は5%・・・無料化でメリットある人、ない人

  無料化実験は、6月28日月曜の午前0時に開始、当面は3月末日まで行なわれる。すでに発表になっている37路線50区間で始まり、年内に開通する東九州自動車道の高鍋~西都(12、7月17日開通予定)と門川~日向(14、12月開通予定)の追加があわせて発表された。

 ただ、追加2区間は無料化区間の延伸部であるから、37路線50区間に変わりはない。この追加分をあわせて、無料になるのは1652。首都高や阪神高速を除き、全国の高速・有料道路の約2割と発表された。

 2割という距離も少ないと思うのだが、もっと気になるのがその中身。本誌でも以前から指摘しているように、今年度に無料実験されるのは、いわば地方の交通量が少ない路線ばかり。主要路線は対象外である。その理由が、「交通量の多い路線を無料化すると渋滞が発生するから」。

 ちょっと待て、渋滞が発生することを実際に調査するのも「社会実験」じゃないの? それに、財源不足で当初案より縮小したのがミエミエだ。

 さらに見逃せないデータがある。国土交通省による無料化路線の交通量調査だ。1日あたりの平均利用台数を調べたもので、平成20年度の調査だ。今回の無料化する50区間を決めた決定的なデータのひとつが、この調査結果である。それによると、無料化される50区間の交通量は、日本の高速道路全体の交通量全体のわずか5%程度だ。

 そう、たった5%のクルマしか無料化の恩恵を享受できない。それにしても、交通量の少ない路線が選ばれた、という感が強い。ちなみに、同じ平成20年度のデータで、日本で最も利用されている東名高速は、1日に41万9983台である。

 無料化路線の交通量を路線別にみてみよう。最小交通量は、道東自動車道の池田~本別・足寄の区間で1日400台しか利用していない。また、釜石自動車道にも、1日の利用が3ケタの600台という区間があった。この高速道路は、花巻空港へのアクセス道路なのだが、距離も短く一般道の利用で充分のだろうか。

 こうなると、高速道路が必要か否か、という原則論になるが・・・。

 もちろん、1日の交通量が1万台を超える路線も無料化実験に含まれている。しかし、何度も言うが、東名高速は1日平均42万台。今回無料化された路線は、最多の交通量でも東名高速の10分の1程度でしかない。

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