佐々木俊尚「ブレイクスルーな人たち」
2010年07月29日(木) 佐々木 俊尚

東浩紀(批評家・作家) vol.1
「『レッテル張り』で政治を語るのは簡単ですけど、僕はやりません」

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佐々木: 東さんが朝日新聞の「論壇時評」を書いていることは、業界では衝撃的な話として受け止められていますよ。

東: そうでしょうね。

佐々木: かつての論壇のような場はとうに消滅したと言われています。それでも新聞は自分たちこそ論壇の中心だと思い込みながらここまでやってきた。

 でも今回、朝日新聞で東さんが論壇時評を書いていることを見ると、新聞も徐々にネットの議論に軸足を移そうとしているかのようにも思えます。

 今後ネットとマスメディア、あるいは論壇があるのとするなら論壇の、それぞれの関係、構造はどう変わっていくのでしょうか。

 それは補完関係にあるのか、あるいはマスメディアなき時代においてはネットだけで言論空間が成り立つのか、そこでどういうことが起きてくるのか。今日は、そんな話をおうかがいしたいと思っています。

東: 分かりました。

 論壇時評を引き受けた経緯は、去年の12月ごろに朝日新聞さんからお話をいただいたからです。論壇時評を書くとなると、かなり論壇誌とか読まなくてはいけないので大変といえば大変ですから、最初はかなり迷ったんです。

 でもね、僕にはたまたま回ってきたんだと思うんですよ。これはまったく推測なんですが、きっといろいろな調整がうまく行かなくてたまたま僕に回ってきたんです。

 そのときに僕が断ってしまったら、おそらく僕より上の世代にまた戻っていく。ある意味、世代交代の絶好のチャンスだなと思ったんですよ。

 だから、僕自身がやりたいかやりたくないかっていうこととは関係がなく、世代交代を進めるためにもここで断ってはいけないと、頑張ってやることにしたんですね。

佐々木: いま論壇誌そのものが、全体数としてものすごく数が減っちゃっているじゃないですか。その中でいったい何を論壇として捉えるのかという、その枠組みはどう考えるんですか。

ツイッターをなぜ取り上げられないのか

東: 最初は新聞社にツイッターとかブログとかを積極的に取り上げてくれと言われていて、僕もそういうつもりだったんです。でも冷静に考えてみるとツイッターって、例えば、何月何日佐々木俊尚はこう言ったみたいなことを書いてURLを貼り付けてもしょうがないメディアなんですよね。

次ページ 佐々木:  そうですね(笑)。…
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