牧野洋の「ジャーナリズムは死んだか」
2010年07月22日(木) 牧野 洋

G20首脳会議、米紙が1面トップで報じる抗議デモを黙殺する日本の大新聞

まるで政府広報紙

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 厳重な警備が敷かれるなか、世界20ヵ国・地域(G20)の首脳会議(サミット)が開かれ、世界経済について議論している。会議場周辺では、アメリカ主導のイラク戦争や中国の人権抑圧などに抗議する非政府組織(NGO)がデモ行進している。

ワシントンポスト

 さて、あなたが新聞の編集者なら、1面に使うサミット関連写真をどう選ぶか。首脳が笑顔で一堂に会している写真か。それともデモ隊と警察が対峙している写真か。どちらの写真を使うかで、ジャーナリストとしての根源的な価値観を問われる。

 G20首脳は「サミットが成功している」との印象を与えたい一方で、NGOは「サミットは間違っている」と訴えたい。単純化すると、G20首脳の写真を使う新聞は「権力寄り」、NGOの写真を使う新聞は「市民寄り」と色分けできる。

 その意味で、サミットをめぐる報道はリトマス試験紙として使える。その結果は? 日本勢は「権力寄り」、アメリカ勢は「市民寄り」だ。

 6月にカナダ・トロントで開かれたG20サミット報道を点検してみよう。サミットが閉幕したのを受け、同月28日付のワシントン・ポスト(上写真)は1面全6段のうち3段を使い、抗議デモの写真を掲載。写真の中では、ヘルメットをかぶった警官とバンダナで顔を覆ったデモ参加者がにらみ合っている。

 

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