長谷川幸洋・東京新聞論説委員 インタビュー vol.1「民主党政権は国民をなめていた」

田原 今回の参議院選挙の結果は、長谷川さんの予想とどれくらい違いました?

長谷川 いや、(民主党が)これほど負けるとは思わなかったですね。もうちょっと行くんじゃないかと思いました。まあ、みんなの党はだいたいこんなものだとは思っていましたが。

田原 投票日前週の木曜、金曜あたりの新聞各紙を見てね、47議席くらいかと思ったんですけど、さらに落ちましたね。これはなんでしょうね。

長谷川 まあ、菅政権ができてからずっと支持率落ちてますし、あの予想はたぶん2日前、3日前のデータだから、投票日までにもう一段下がるのはまあ自然だなと。

田原 そうですか。僕はまたね、木曜、金曜日各紙がきつく叩いたので反動的にちょっと上がるかもしれないと思ってました。

長谷川 まあ、上がる要素がほとんどなかったですね。それで最後に消費税のお詫び広告を新聞に出したでしょう、あれでいよいよこけたなと。

田原 あれが大きかったですか。最初、僕は、(民主党が)54取れるかどうかから、50台に上がるかどうかあたりだったんですが、長谷川さんはどう見てらっしゃいました?

長谷川 まあ、50そこそこ、おそらく割るんじゃないかなというくらい。でもこれほど負けるとは思わなかったです。

田原 菅政権ができて、最初(支持率)は朝日新聞が60%、読売新聞が64%でしたかね。NHKが61%ですか。それがじわじわ落ちて、その次につるべ落としのように下がった。これはどう見てらっしゃいますか?

長谷川 まあ、それまでの政権の実績がよくなかったということに加えて消費税問題で、まあ10%以上値引きされていったという気がしますね。

違和感があった経団連会長の発言

田原 その消費税についてはね、新聞でいえば朝日、毎日、読売、日経、産経、東京新聞も含めて賛成でしたね。

長谷川 東京新聞は反対なんですよ。ぼくが社説を書いてますから。

田原 長谷川さんは消費税の引き上げに反対なんですか?

長谷川 反対っていうか、その前に公務員制度改革その他やることがある、という社説を書きました。

田原 じゃあ東京新聞のぞいては、全部消費税賛成ですよね。

長谷川 細かく見れば必ずしもそうじゃないですが・・・。

田原 朝日は大賛成でしたね。

長谷川 あれはひどかったですね。

田原 テレビも反対はどこもなかったと思う。

 ひとつはね、マスメディアがみんな東京にあって、日本の中で東京だけは少し景気があがったかなというのがあったんだと思います。新聞やテレビが非常に消費税賛成なんで、つい菅さんはそれに乗ったのかなという気がするんです。どうですか?

長谷川 うーん、マスコミに煽られたというか、財務省がそこは周到なんですけども、こういうことを総理に吹き込む前に、外堀をしっかり埋めていくんですよね。

田原 外堀って、マスコミですか?

長谷川 マスコミの前に、一番最初は経団連だと思います。

田原 あ、経団連?

長谷川 経団連、経済界ですね。

 で、マスコミはつまり財務省に取材し、次に経済界を取材していくわけだから、マスコミの取材先をまず潰していくわけですよ。経団連に聞けば賛成、と。だから選挙の直後に米倉(弘昌経団連)会長の発言を聞いていても、「消費税引き上げを言ったことが敗因ではないと思います」と言ってましたね。

田原 なんか、鳩山、小沢政権がまずかったからってなこと言ってましたね。

長谷川 あれも僕は財務省が振りつけてると思いますね。

田原 ああいう言い方も?

長谷川 ああいう言い方も含めて。

田原 米倉さんは、言われたとおりですか。

長谷川 言われたとおり、言ったんじゃないかなと。

田原 そういえば、あのコメントは違和感がありました。

長谷川 ええ、僕もすごく違和感ありました。

田原 だって、どう見たってね、鳩山、小沢さんは辞めたんですからね。一時は、菅さんになって、支持率どーんと上がったんですから。

長谷川 僕、あれ見た瞬間に米倉さんが自分の頭で考えておっしゃったとは思えなかったですね。

田原 そんな人が経団連会長になって大丈夫なんですか?

長谷川 というか、そういうふうに、はじめから経団連事務局と財務省主計局は完全に握り合ってますから。経団連事務局が出してくる消費税や税制のいろんなペーパーがありますけども、財務省主計局が作ったペーパーそのままってこと、よくあります。

田原 おんなじですか?

長谷川 書式を見ればすぐわかるんですよ。

田原 書式から。

長谷川 ファイルで。僕も経団連のペーパー読んだことありますけども、これ主計局のファイルをつぎはぎしてるなって、一目でわかります。

田原 そういうものですか。

長谷川 そういうものです。

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