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日高屋 神田正会長 貧乏が生んだ"逆転の発想" 
転職15回、5坪のラーメン店から始めた青年が
売上高227億円の大チェーンを築いた

「仕事帰りに軽く一杯呑んで、シメのラーメンも食べられる。しかも駅前にあって、朝までやっている。言ってみればラーメン屋台です。その良さを再現することが創業以来の思いなのです」

吉日高屋の新宿靖国通り店。新宿駅周辺では7店舗を展開中で、月2000万円超を売り上げる店舗もある〔PHOTO〕船元康子

 そう語るのは、中華料理チェーン『日高屋』を展開する「ハイデイ日高」の創業者、神田正会長(69)だ。店名や社名になっている「日高」とは、神田氏の出身地である埼玉県日高市のこと。

 その日高屋、7期連続で増収増益を続けるなど、業績をグイグイ伸ばしている。

 現在の店舗数は首都圏で約250店。 '10年2月期の売上高は約227億円。同じく中華料理チェーンを展開する「餃子の王将」( '10年3月期売上高673億円)を西の横綱とすれば、「幸楽苑」(同・356億円)とともに東の横綱を張っているのが日高屋なのだ。

 人気のヒミツは、安さと気軽さ。例えば、看板メニューの「中華そば」は390円、「餃子」は190円という安さ。生ビール一杯390円と合わせて頼んでも、1000円以下で飲み食いできてしまう。

 そのうえ、「ニラレバ」「唐揚げ」といった居酒屋メニューも充実。店舗は基本的に駅前での24時間営業であるため、深夜でも気軽に利用することができる。それが、サラリーマンを中心にウケているのだ。

「駅前には、一人で安く呑んで食べられるような店が少なくなりましたよね。駅前一等地のラーメン店は値段が高いし、一人で呑もうと思っても、気軽に入れる居酒屋はほとんどない。そうした方たちに日高屋に来ていただいているんです」

 人なつっこい笑顔でそう語る神田氏。実は、そんな同氏を語るうえで欠かせないのが"貧乏"だ。「貧乏だからこそ、人の逆を行く発想ができた」と言う神田氏の"貧乏逆転人生"に迫った。

ラーメンに出会い、"人が変わった"神田会長。「働いた分が現金になる分かりやすさに惹かれた」と話す〔PHOTO〕船元康子