その場しのぎの連立政権構想では日本を救えない
二大政党、小選挙区制の弊害が見えてきた

 参議院選挙の結果を受けて、秋の政局を前に、様々な動きが出てきている。

 私たち新党改革も、所属国会議員の数が2人となり、これでは国会活動もままならないので、たちあがれ日本と統一会派を組むことにした。これで、合計5名となり、本会議での質問権を得るなど、最低限の条件が整うことになった。

 このようなことは、自民党のような大政党にいたときには考えもしなかったことであるが、小政党でないとできない経験もできるのだから、これはこれで今後の政治活動の肥やしとなろう。

 今の政治状況を見ていると、3年前を思い出す。参議院選挙で、年金記録問題を叩かれて自民党が大惨敗を喫した。しかし、安倍晋三首相の結論は続投であった。

 しかし、それは凶と出た。新内閣発足後、1ヵ月も経たないうちに、安倍さんは突然辞職した。こんなことなら、選挙後、敗北の責任をとって辞めておけばよかったのにという声が出たのは当然である。

 ちなみに、この内閣に、私は厚生労働大臣として入閣したのだから、皮肉なものである。

 しかしながら、3年前は、与党は衆議院で3分の2以上の議席を確保しており、参議院で否決されても衆議院で再可決して法案を通すことが可能であった。その点では、内閣の一員としても安心していることができた。安倍辞任の大きな原因は、本人の健康問題であった。

 ただ、その後、福田、麻生と総理大臣が交代し、結局は政権を失うことになったのである。

 今回、菅内閣が置かれた状況は、まったく異なる。3分の2の多数を維持していないので、予算、首班指名、条約の衆議院優先事項以外は、野党が反対すれば、一切の法案は成立しないことになる。まさに、政治が機能しないわけであり、これは最悪の事態である。民主党としては、他党を引き入れての連立政権作りを模索するのは当然である。

 しかし、参議院選挙中の各党の言い分を思い起こせば、これは容易ではない。そこで、政策毎に多数派が異なる部分連合という考え方になるのであるが、これだと政治の安定は望めまい。

 野党としては、この閉塞状態を打破するために、解散総選挙を求めていくのは当然であるし、そこで、一気に政権奪還を実現したいとこである。しかし、野党とて一枚岩ではないし、次の総選挙で自民党が圧勝する保障もない。民主党にしてみれば、衆議院で安定多数を維持しているのに、あえて解散に踏み切る必要はないのである。

 これから秋に向けて、与野党それぞれが、様々な対応策を模索していくであろう。その中には、小沢一郎前民主党幹事長の動きが注目されるし、私たち、第三極の政党の動向も無視することはできまい。

 ただ、そのような動きを超えて、中長期的に日本の政治をどのような姿にしていくのかという問題意識が必要である。

小選挙区が生んだ小沢一郎流政治

 一つは、二大政党制の是非である。今回の選挙結果を見て、自民党は復調した、やはり二大政党制だと思う人がいれば、それは判断を誤っていると思う。

 自民党は、比例区では得票を減らしているし、党再生につながるような抜本的な改革はなされていない。そして、政策の異なる二大政党というのは虚構で、民主党にも自民党にも水と油が混在している。まさに、小選挙区制が理想として期待するようなかたちにはなっていなのである。

 小選挙区制故の熾烈な選挙戦は、小沢一郎流の選挙事情主義を生み、政策は二の次としてしまい、候補者も空席のある政党を無原則的に選ぶことになる。せめて参議院だけでも、良識の府として、高邁な理想が実現できればよいのだが、実態は衆議院のカーボンコピー化してしまっている。

 二大政党制よりも、政策の異なる複数の政党が、連立を組む方式のほうが政策中心の政治ができるのではあるまいか。そのためには、小選挙区制をやめて、中選挙区、フランス式二回選挙制、ドイツのような小選挙区・比例併用制などを模索すべきではあるまいか。

 いずれにしても、単なるその場しのぎの連立政権構想を超えて、このような議論を始める必要がある。

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